言語生活Ⅱ
担当者日野 純子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [教育文化学科]
科目ナンバリングJLE-105

授業の概要(ねらい)

 私たちは、言葉を使うことで意思疎通を行い、社会生活を営んでいます。ことばの形は、いつ、どこで、誰と、どのような経緯や目的でやりとりをするかによって、様々な異なったあらわれ方をします。この授業では「言語生活I」で学んだ言語と社会の関わりに関する基本的な知識もとに、特に現代の日本語の使われ方の特徴について、具体的な事例をもとに、実践的に学び、自らの日本語の使い方について、客観的・理論的に分析できるようになることをめざします。社会や個人の中で起こっていることばに関わる「変化」(ら抜き言葉・若者言葉や流行語・アクセントの変化・敬語・方言、打ち言葉)について、どのような態度で対応していくかについて自分なりに考えていきます。

授業の到達目標

 (1)現代日本語の使われ方の特徴について、具体的な事例をもとに分析する。
 (2)(1)をもとに自らの言語行動について客観的・理論的に分析する態度・資質を養う。
 (3)ことばを使う事に関わる変化について、客観的に分析し、それぞれの立場でどのように対応していったらよいかについて考えられる資質を養う。

成績評価の方法および基準

 (1)平常点 (授業への参加、課題への取り組み):50%
 (2)中間のまとめテスト、最終のまとめテスト:50%
  *正当な理由なく、5回以上欠席した学生には単位を与えられません*

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書1『よく分かる社会言語学』 田中春男・田中幸子編著
ミネルヴァ書房
参考文献

準備学修の内容

 このクラスでは、教員による講義だけでなく、ペアやグループでの話し合いや個人での作業をしながら学んでいきます。毎回、指定された教科書の章や文献を読んだり、自分の言語行動を振り返ったりする宿題があり、それもとにクラスでディスカッションをします。ことばの使われ方について分析するための活動も行います。クラスメートとよく協力し、積極的に参加する姿勢が求められます。

その他履修上の注意事項

 1各自、真摯な態度で授業や課題にのぞみましょう。
 2遅刻、早退、欠席は避けましょう。
 3グループやペアでの作業には、相手を尊重しつつ積極的に参加しましょう。
 4大学での学びは、教員から一方的に与えられるものではありません。一人一人が他者に配慮をしながら、積極的に授業に参加することでよいクラスになり、みなさんの学びと成長につながります。

授業内容

授業内容
第1回 オリエンテーション 授業の目標…概要を理解する
第2回言語生活Iの復習・社会言語学の領域・言語の変種 言語生活Iで学んだ社会言語学の基本的概念につい確認する確認する(第I章)
第3回言語習得・外国語教授法について基本的事項を習得し、日本の英語教育・日本語教育においてこれらがどのように現れるか分析する(第IX, X 章)
第4回発話行為・協調の原理について基本的事項を習得し、これらを用いて自信の日常会話の進み方について分析する(第XII章)
第5回英語の変種・黒人英語・ピジン・クレオールについて基本的事項を習得し、日本人英語・自身の英語について分析する(第VII,VIII章)
第6回オノマトペ(擬音語…擬態語)の種類・分類・のオノマトペのオノマトペについて基本的事項を習得し、これらが日常会話においてどのように用いられているか分析する
第7回第1~6回目の振り返り・中間のまとめテスト
第8回敬語の分類・敬語の間違いについて基本的事項を習得し、これらが社会生活においてどのような機能を果たしているかを分析する
第9回敬語の変化 敬語の現代における変化について基本的事項を習得し、これらが社会生活においてどのような機能を果たしているかを分析する(教科書2 第6章)
第10回アクセントの変化 現代のアクセントの変化について基本的事項を習得し、自身の言語生活におけるアクセントの使い方を分析する(教科書2 第7章)
第11回うち言葉 うち言葉の位置・LINEのコミュニケーションについて基本的事項を習得し、自身の言語生活における打つ行動について分析する
第12回やさしい日本語・日本語教育について基本的事項を習得し、これらが社会生活においてどのような機能を果たしているかを分析する
第13回雑談 雑談の定義・目的・分析について基本的事項を習得し、これらが社会生活においてどのような機能を果たしているかを分析する
第14回言語に関する調査  コーパスの利用について基本的事項を習得し、これらをどのように活用し言語生活を分析できるかを認識する
第15回全体のまとめ・復習・最終テスト