日本語教育方法論Ⅱ
担当者日野 純子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [教育文化学科]
科目ナンバリングJLE-206

授業の概要(ねらい)

 今、日本語を母語としない人たちは、学校・地域・社会のあらゆる場面でその存在感が増してきています。これらの人たちに対して、上から「教える」というより、「対等」な立場で、どのよう日本語学習の支援ができるのかを考えます。「日本語教育方法論I」の内容を踏まえ、様々なレベルやニーズや立場の学習者に対し、より具体的にどうやって日本語学習の支援のするのかを実践を通して学ぶクラスです。はじめに、日本語学習者にとっての、「初級の文法」とは何かを理解し、それに基づき、留学生、子ども、外国人生活者など様々な立場の人に特に「文法」をどのように教えるかを考えます。その中で、各自のこれまでの日本語の使い方について、改めて振り返り、日本語を外国語として学んでいくとはどういうことかを実感できるようになり安栖。

授業の到達目標

(1)様々なニーズや立場の学習者に対し、どのようにアプローチし、日本語習得の支援を行うかを、特に文法の教え方に焦点を当てて考えることができる。
(2)(1)を踏まえて、日本語学習者がどのように外国語としての日本語を学ぶのかを体感し、各自がこれまで身につけてきた日本語を再分析することができる。
(3)留学生、子ども、外国人生活者など様々な立場の人々にどんな支援・教え方が適しているかを判断できるようになる。

成績評価の方法および基準

(1)平常点(授業への参加、ワークシート、課題への取り組み):50%
(2)中間のまとめテスト、最終のまとめテスト:50%
  *正当な理由なく5回以上欠席した学生には単位を与えられません*

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『みんなの日本語 初級I』スリーエーネットワーク編スリーエーネットワーク
参考文献

準備学修の内容

 このクラスは、教員による講義だけでなく、ペアやグループでの話し合いや個人での作業をしながら、学んでいきます。その準備として、指定された教科書の章や参考文献を事前によく読まなければなりません。日本語だけで日本語のことばの意味や文法を教えるための基本的スキルの実践活動も行います。これらの話し合いや活動の結果や分析を毎回、ワークシートに記入して授業の最後に提出しますので、クラスメートとよく協力し、積極的に参加する姿勢が求められます。

その他履修上の注意事項

 1各自、真摯な態度で授業や課題にのぞみましょう。
 2遅刻、早退、欠席は避けましょう。
 3グループやペアでの作業には、相手を尊重しつつ積極的に参加しましょう。
 4大学での学びは、教員から一方的に与えられるものではありません。一人一人が他者に配慮をしながら、積極的に授業に参加することでよいクラスになり、みなさんの学びと成長につながります。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション、「日本語教育方法論I」の振り返り 日本語教育方法論Iで学んだコースデザイン…外国語教授法についての基本的理解を再確認する
第2回日本語教育文法の概観・動詞のグループ分けについて基本的事項を理解し、日本語の事例について分析する
第3回初級の日本語教育文法I 日本語初級レベルで扱われる様々な活用形について基本的事項を理解し、それぞれの事例について分析する
第4回初級の日本語教育文法II 日本語教育における文法と会話の関係性について、基本的事項を理解し、事例について分析する
第5回「みんなの日本語初級I」について基本的事項を理解し、本書の各章について概要を分析する
第6回「みんなの日本語初級I」の における会話の役割扱われ方について基本的事項を理解し、本書の実例について分析する
第7回第1~6回目の振り返り・中間のまとめテスト
第8回地域型日本語教育について基本的事項を理解し、現状の課題について分析する
第9回年少者向け日本語教育について基本的事項を理解し、現状の課題について分析する
第10回年少者向け日本語教材について基本的事項を理解し、実際の指導で使える教材・指導案を作成する
第11回文法の導入・基本練習について基本的事項を理解し、実際の指導法について実践する
第12回文法を使った応用練習について基本的事項を理解し、実際の指導法について実践する
第13回文法導入の実践について基本的事項を理解し、実際の指導法について実践する
第14回外部講師(地域での支援)地域日本語教育の実践について理解し、現状の問題点について分析する
第15回まとめ・復習・最終のまとめテスト