現代経済の課題BⅡ
担当者中垣 啓一教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-306

授業の概要(ねらい)

鉄道、上下水道、電力、道路、港湾等のインフラは国民生活や経済活動に不可欠ですが、これら個別の分野の課題に
ついては注目度が低いのが現状です。わが国では人口減によりインフラ市場の縮小と老朽化するインフラ設備の維持・
管理といった問題を抱えている一方、新興国では都市化の進展等により新規のインフラ投資需要はアジアを中心として
膨大です。
こういった状況を踏まえて、日本政府はインフラシステムの輸出による新規インフラ需要の取り込みを重要な成長戦略
として位置付けており、官民連携の推進や金融面での支援拡大等の方針を打出して、日本企業のインフラビジネスの
海外展開は今後とも拡大し続ける傾向にあります。
本講義では講師自身の商社・エンジニアリング会社でのインフラビジネスの実務経験に基づき、春学期での個別の
インフラ分野に関する分析に引き続き、インフラ輸出を支える金融や地方自治体による都市インフラ輸出等に加え、
道路、治水・利水、上下水道等の日本国内のインフラ老朽化問題や官民連携(PPP)による上下水道や空港等の
インフラ整備の現状・課題等につき集中的に分析を行います。
学生の皆さんには日本のインフラ基盤整備の現状や課題について理解してもらうことで、今後の就職やキャリア形成に
役立ててもらうことを目指します。

授業の到達目標

授業での課題の考察を通じ、日本国内のインフラ整備上の現状・課題等について理解を深めてもらうことを目指します。

成績評価の方法および基準

期末に授業の中で分析した分野や国内インフラ基盤整備等の課題の中から学生の皆さんが興味を持った分野・課題を
一つ選定し、その分野・課題につきレポートを提出してもらいます。皆さんがどこまで深堀をしてかつ今後の課題等に
ついて積極的に考えられたかを評価するもので、授業の中で触れた細かい技術的なものの理解を求めるものでは
ありません。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書教科書は使わない予定です。公開資料もありますので都度授業で引用書類について説明します。
教科書
参考文献授業の中で適宜紹介します。
参考文献

準備学修の内容

各自授業内容や引用書類を復習してもらうと共に、新聞等に出る最新のインフラ関連記事について自ら積極的に精査
してください。

その他履修上の注意事項


授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
第2回新規分野
第3回インフラ展開を支える金融
第4回アセアンと日本
第5回第三国との連携・中国の動向
第6回質の高いインフラ輸出・面的開発・人材育成
第7回地方自治体による都市インフラ輸出
第8回日本国内の社会インフラの課題(総論)
第9回日本国内の社会インフラの課題(各論)
第10回日本のインフラPPP(官民連携)の現状と課題
第11回上下水道PPP(官民連携)の現状と課題
第12回海外の上下水道取組事例と日本の空港コンセッションの現状・課題
第13回日本のインフラ投資の動向と課題(LMS予定)
第14回総括
第15回レポート