担当者 | 石川 敬史教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [文学研究科 日本史・文化財学専攻] | |
科目ナンバリング |
大学院修士課程以上の研究を行うためには、自分が専攻する地域とさらにもう一つの専門分野についての知見が必要です。比較する視座を持たずに専門性を論じることはできません。これは日本史・文化財学を専攻する大学院生にとっても重要な要件です。この授業では、アメリカで最も注目されている作家・ジャーナリストであるタナハシ・コーツによる『僕の大統領は黒人だった』(上)(下)を講読し、現代アメリカの政治文化と黒人問題についての視座を獲得します。この演習の狙いは、アメリカ発の政治思想が今日の世界にどのような影響を与えているかという視座から、歴史を研究する素養の底上げを行うことにあります。日本史・文化財学専攻の大学院生にとっても参考になる知見を数多く見出せるでしょう。
アメリカ文化論という視座を獲得する。
修士論文作成を行うための素養を身につける。
授業への参加姿勢、特に発言の活発さを最大限重視します。
授業への参加姿勢:100%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『僕の大統領は黒人だった』(上)(下) | タナハシ・コーツ(池田年穂他訳) | 慶應義塾大学出版会 |
参考文献 | 適宜指示します。 |
受講者は授業で検討する文献の箇所を事前に熟読し、自分なりの問題意識を明瞭にし、コメントを用意してください。
受講者の主体的な参加姿勢がなければ成立しない授業なので、自分自身が授業を作り上げるつもりで出席してください。
受講者の西洋史の知識は問いません。
受講者は、必ずしも多くはないと考えられますので、受講者が執筆を目指す修士論文についての相談も気軽に行ってください。西洋史を専攻とする教員の意見も参考になります。
第1回授業はLMSによるリモート授業となりますのでご注意ください。
最終授業後にLMSによる補講を行うので必ず視聴してください。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス テキストについての解説と、授業の運営方針を説明する。 |
第2回 | 「序章 黒人による良き統治について」講読 ・アメリカの黒人問題についての歴史的経緯の解説 ・受講者による議論 |
第3回 | 第1章「これだから俺たちは白人に負けたんだ」講読 ・教員による解説と議論 |
第4回 | 第2章「アメリカの娘」講読 ・教員による解説と議論 |
第5回 | 第3章「南北戦争を研究する黒人がほとんどいないのはなぜか?」講読 ・教員による解説と議論 |
第6回 | 第4章「マルコムXの遺産:なぜ彼のヴィジョンがバラク・オバマのなかで生き続けているのか」講読 ・教員による解説と議論 |
第7回 | 第5章「黒人大統領の恐怖」講読 ・教員による解説と議論 |
第8回 | 第6章「賠償請求訴訟」講読 ・教員による解説と議論 |
第9回 | 上巻の総括講義 ・本書上巻の論理から読み解くアメリカの黒人問題の諸相についての理解を深める |
第10回 | 第7章「大量投獄時代の黒人家庭」講読(1) ・教員による解説と議論 |
第11回 | 第7章「大量投獄時代の黒人家庭」講読(2) ・教員による解説と議論 |
第12回 | 第8章「僕の大統領は黒人だった」講読(1) ・教員による解説と議論 |
第13回 | 第8章「僕の大統領は黒人だった」講読(2) ・教員による解説と議論 |
第14回 | エピローグ「アメリカ史上初の白人大統領」講読 ・教員による解説と議論 |
第15回 | 下巻の総括講義 ・本書下巻から読み解く著者の見解について理解を深める LMSによる補講を必ず視聴してください。 |