国語科教育法Ⅱ
担当者橋本 和顕教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [資格科目]
科目ナンバリングESS-202

授業の概要(ねらい)

 中学校国語科に求められている各領域の指導事項を基礎的・基本的な内容として、生徒が確実に習得していくための教育法を確立するとともに、具体的な方法を講じて授業展開に生かしていく。ディスカッションやグループワークなど、主体的に関わりながら言語活動を豊かにしていく。
 特に、教科書教材を活用しつつ、学習者に求められている各領域の能力を身につけるためには、指導方法の工夫と改善がなくてはならない。また、教材研究の力も深く求められる。したがって、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」「伝統的な言語文化」等の学びの本質を理解して、豊かな言語活動を取り入れる必要がある。授業では、中学校段階として求められている国語科の能力を具体的教材を通して、さらに授業改善につなげていく方策を探る。

授業の到達目標

 中学校の国語科学習に必要な力を身につける。具体的な授業設計を行いながら、深い学びを通して言葉の力を育む模擬授業を構想する。本時の板書の完成図を意識した、見通しをもった学習指導案の作成と模擬授業の実践を行うことができる。

成績評価の方法および基準

 授業内の学習活動(30%)及び、授業内での提出物(40%)、授業の達成目標の達成度を課題レポート(30%)によって評価する。課題レポートは、学んだことを深化させる内容をテーマにし、『授業協議会で学んだこと 理想の学習指導案の作成』など。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『中学校学習指導要領解説書国語編』(文部科学省)
参考文献

準備学修の内容

 ・授業回のテーマに即して、各領域の基礎的・基本的な内容を学習指導要領で確認すること ・教科書教材を読み、教材分析を行うこと
 ・授業回のテーマに関連する教材を調べ、言語活動例を収集すること ・デジタル教材に関心をもって、指導法の広がりを考えること

その他履修上の注意事項

 中学校で求められている国語科の能力は、各領域ともに「伝える力」をいかに身につけていくかということである。したがって、生徒の力を引き出すための授業の在り方そのものが問われることになる。日頃から授業改善をするという強い信念で立ち向かえるよう、教材分析力を高める努力をしてほしい。
 なお、模擬授業の機会を増やし、実践力をつけること。本授業は、教員免許取得の資格授業であり、授業相互の関連性や積み上げが必要なため、全15回の授業の出席を基本とする。また、本授業は、春学期の国語科教育法Ⅰを履修した者に対して、段階的に高めた、応用的な内容を取り扱う。

授業内容

授業内容
第1回 中学校で求められている国語の能力
 ・俳句・短歌等韻文教材で言語感覚を養う・常用漢字が読める・語彙の拡充(LMS)
第2回 「読むこと」文学教材の学び(1)
 ・文学表現を読み解く力の育成、人物、対話、描写に目を向けて
第3回 「読むこと」説明文教材の学び(2)
 ・説明表現を読み、図表や具体例の伝え方を考える
第4回 伝統的な言語文化の学び(1)
 ・古文教材 軍記物語や随筆を味わう
第5回 伝統的な言語文化の学び(2)
 ・漢文教材 論語を味わう
第6回 指導案の書き方
 ・指導案の実際と書き方 ・生徒の反応予想と具体化 ・全体指導の構想 
第7回 「書くこと」の学び
 ・投書を読み、短文で書く ・批評文を書き交流する
第8回 「話すこと・聞くこと」の学び
 討議法を学ぶ、論点を明確に
第9回 中学校国語科模擬授業実践(1)説明文・古典教材(古文・漢文)の読み
 ・受講者による模擬授業 ・授業に対する意見交流と評価
第10回 中学校国語科模擬授業実践(2)説明文・古典教材(古文・漢文)の読み
 ・受講者による模擬授業 ・授業に対する意見交流と評価
第11回 中学校国語科模擬授業実践(3)説明文・古典教材(古文・漢文)の読み
 ・受講者による模擬授業 ・授業に対する意見交流と評価
第12回 中学校国語科模擬授業実践(4)説明文・古典教材(古文・漢文)の読み
 ・受講者による模擬授業 ・授業に対する意見交流と評価
第13回 書写の実際
 ・行書の実際、行書の原則の理解 ・硬毛関連の考え方 ・板書の技術
 ・創造力を引き出す技術、立体的な表現
第14回 読書指導と学校図書館の活用
 ・読書会の設定と読み味わい ・ICTの活用
第15回 学習指導要領から国語科教育法Ⅱを振り返る
 ・領域ごとの構造的な理解 ・授業の組み立て方 ・評価観の転換を目指して ・デジタル教材の活用