担当者 | 森 一平教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [初等教育学科 こども教育コース] | |
科目ナンバリング | THE-401 |
本演習は、「エスノメソドロジー・会話分析」という立場から、データを用いて教育実践を研究するとはどういうことかを学んでいくための演習である。
授業をはじめとして、あらゆる教育実践は「実際に使われているのに気づかれていない」様々な方法によって組み立てられている。エスノメソドロジー・会話分析とは、そうした気づかれざる方法をデータの詳細な検討にもとづき明らかにする立場であり、またそうすることで実践者たちに意義ある反省の素材を提供することのできる立場である。
本演習では日本語文献の読解を通してまず、①エスノメソドロジー・会話分析の立場から実践を研究するとはどういうことかを学び、そのうえで、②その立場からこれまで明らかにされてきた成果を批判的に検討する目を養う。最後にその成果にもとづき、③実際のデータを素材に分析的な検討をおこなう。
①エスノメソドロジー・会話分析の立場からの教育実践研究について、その概要・特殊性・意義を説明できる。
②日常会話を形作る組織の諸側面について、その概略を説明できる。
③授業会話を形作る組織の諸側面について、その概略を説明できる。
④①の立場にたち、②③の知識を動員しながら、実際の教育実践の事例を読み解くことができる。
・平常点(議論への貢献度など):20%
・プレゼンテーションの内容:30%
・最終レポート:50%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『ワードマップ エスノメソドロジー――人びとの実践から学ぶ』 | 前田泰樹・水川喜文・岡田光弘編(2007) | 新曜社 |
参考文献 | 『会話分析の基礎』 | 高木智世・細田由利・森田笑(2016) | ひつじ書房 |
参考文献 | 『会話分析入門』 | 串田秀也・平本毅・林誠(2017) | 勁草書房 |
・自分の担当回の報告レジュメを、必ず演習開始時間までに人数分準備すること。
・自分の担当回以外でも、必ず指定文献を熟読し、自分の意見を演習中に示せるようにしておくこと。
演習の充実度は、参加者たち自身が作り上げていく議論にかかっている。そのことを心に留め、演習中の議論には間違いを恐れず積極的に参加してほしい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション(1)――自己紹介・文献の紹介と決定など (オンラインにて実施) |
第2回 | オリエンテーション(2)――報告担当の決定・レジュメ作成上の注意など |
第3回 | エスノメソドロジーとは何か(1)――自然に「わかる」ことの構造を問う (※LMSにて遠隔実施) |
第4回 | エスノメソドロジーとは何か(2)――自然に「できる」ことの構造を問う |
第5回 | 会話分析とは何か(1)――発言の順番交代組織 |
第6回 | 会話分析とは何か(2)――行為連鎖の組織 |
第7回 | 会話分析とは何か(3)――トラブルの修復・誤りの訂正の組織 |
第8回 | 会話分析とは何か(4)――優先性の組織 |
第9回 | 授業場面のエスノメソドロジー・会話分析(1)――授業会話の研究 |
第10回 | 授業場面のエスノメソドロジー・会話分析(2)――授業のワークの研究 |
第11回 | 研究論文の批判的検討(1)――中心としての行為連鎖組織 |
第12回 | 研究論文の批判的検討(2)――行為連鎖組織の外側へ |
第13回 | 授業場面のビデオデータの検討(1)――データの観方を磨く |
第14回 | 授業場面のビデオデータの検討(2)――昨年度の調査と成果の再検討 |
第15回 | おわりに――最終レポート作成に向けて演習全体を振り返る (オンラインにて実施) 注:上記計画は、受講者の学習状況や問題関心に応じて変更することがあります。 |