担当者 | 三輪 博樹教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [総合基礎科目] | |
科目ナンバリング | ARS-102 |
南アジア地域は現在、世界の経済や安全保障に及ぼす影響という観点から関心を集めていますが、インド以外の国に対する注目度はそれほど高くないというのが現状です。しかし、南アジア各国はそれぞれ、さまざまな社会的・経済的な問題を抱えており、それらは最終的に、南アジア地域を含むインド太平洋地域の国際関係にも影響を及ぼしています。この科目では、南アジア各国の政治と社会、各国の外交政策、南アジア地域やインド太平洋地域の国際関係などについて理解することを目指します。
授業では、南アジア8カ国のうちパキスタン、スリランカ、バングラデシュ、ネパールの4カ国を主に取り上げ、各国の政治史や、社会的・経済的な問題と政治との関わりについて説明します。また、各国とインドの関係、南アジアの国際関係、インド太平洋地域の国際関係、南アジアをめぐるインドと中国の戦略などについても説明します。
各回(第1回と第15回を除く)の授業の終了後に小テスト(400字程度の記述式問題、LMSによって提出)を行います。小テストでは、授業で学んだ知識を確認するだけでなく、授業で学んだ事柄に対して自分なりにどう考えるのか、各自の考え方や意見などをまとめていただきます。この授業を通して、南アジア地域とインド太平洋地域の国際関係に対する理解を深めていただければと思います。
以下の3つを到達目標とします。(1)パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、ネパールの政治と社会について、基本的な知識を習得する。(2)南アジア各国の社会的・経済的な問題、各国の国内政治と外交政策、南アジア地域やインド太平洋地域の国際関係について、これらがひとつに繋がったものとして全体的に理解する。(3)南アジア各国が抱えているさまざまな問題について、その原因や解決策などに関して自分なりの考えを提示できるようになる。
各回の小テストの合計点(40%)と、期末試験の結果(60%)を合わせて評価します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 教科書は指定しません。各回の授業ごとに、講義内容をまとめたレジュメや関連資料などを配布します。また、さらに学習を深めたい方に向けて、参考文献を授業の中で紹介します。 | ||
参考文献 |
初回の授業のときに、2回目以降の授業内容の詳細について説明し、各回の「予習・復習のポイント」をまとめた資料を別途お渡しします。各回の授業で使用するレジュメや資料は、授業の1週間前までにPDFファイルの形でLMSで公開しますので、初回にお渡しする「予習・復習のポイント」を参考にしながらレジュメや資料を読み、内容を理解するとともに、疑問点などを明らかにしておいてください。
「世界の情勢(アジア)I」と「世界の情勢(アジア)II」を続けて履修することをおすすめしますが、この科目だけを履修した場合でも内容が理解できるように配慮します。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション:授業の概要と進め方、南アジアについての概要 |
第2回 | パキスタンの政治と社会(1):イスラム国家かムスリム国家か |
第3回 | パキスタンの政治と社会(2):カシミール地方をめぐるインドとの対立 |
第4回 | スリランカの政治と社会(1):仏教とヒンドゥー教、シンハラ人とタミル人 |
第5回 | スリランカの政治と社会(2):民族紛争と民主主義 |
第6回 | バングラデシュの政治と社会(1):ベンガル人のアイデンティティと独立運動 |
第7回 | バングラデシュの政治と社会(2):軍事政権から民主化へ、2人の女性指導者の対立 |
第8回 | ネパールの政治と社会(1):ヒンドゥー教の王国とその崩壊 |
第9回 | ネパールの政治と社会(2):王制から共和制へ、マオイストと政党政治 |
第10回 | パキスタンをめぐる国際関係:パキスタンの外交政策と、インドおよび中国との関係 |
第11回 | スリランカをめぐる国際関係:スリランカの外交政策と、インドおよび中国との関係 |
第12回 | ネパールをめぐる国際関係:ネパールの外交政策と、インドおよび中国との関係 |
第13回 | 独立後のインドの外交政策:非同盟外交から全方位連携外交へ |
第14回 | 南アジア地域とインド太平洋地域の国際関係 |
第15回 | 授業のまとめと試験 |