世界の情勢(アジア)Ⅰ
担当者三輪 博樹教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングARS-101

授業の概要(ねらい)

 現在、新興国のひとつであるインドに対する注目度が高まっていますが、その一方で、わが国におけるインドに関する理解は進んでいるとは言えず、いまだ、「神秘の国」「不思議な国」といった印象が流布しているのが現状です。この科目では、現在のインドの政治・経済・社会について、わが国の事例とも比較しながら理解することを目指します。
 授業ではまず、現在のインドの政治制度や政党政治について、わが国の事例とも比較しながら説明します。次に、インドの政治に対して大きな影響を及ぼしている社会的・経済的な要因について説明します。最後に、現在のインドで注目されている様々な問題(若者の雇用、農民の貧困、女性に対する暴力、環境問題、政治腐敗)について説明し、それらの問題の解決策などについて皆さんに考えていただきます。
 各回(第1回と第15回を除く)の授業の終了後に小テスト(400字程度の記述式問題、LMSによって提出)を行います。小テストでは、授業で学んだ知識を確認するだけでなく、授業で学んだ事柄に対して自分なりにどう考えるのか、各自の考え方や意見などをまとめていただきます。この授業を通して、インドという国に対する理解を深めていただければと思います。

授業の到達目標

 以下の3つを到達目標とします。(1)現在のインド政治について、基本的な知識を習得する。(2)インドの政治制度や政治状況について、わが国の事例と比較しながら理解し検討する。(3)現在のインドが抱えるさまざまな問題に関して、その原因や解決策などについて自分なりの考えを提示できるようになる。

成績評価の方法および基準

 各回の小テストの合計点(40%)と、期末試験の結果(60%)を合わせて評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 教科書は指定しません。各回の授業ごとに、講義内容をまとめたレジュメや関連資料などを配布します。また、さらに学習を深めたい方に向けて、参考文献を授業の中で紹介します。
参考文献

準備学修の内容

 初回の授業のときに、2回目以降の授業内容の詳細について説明し、各回の「予習・復習のポイント」をまとめた資料を別途お渡しします。各回の授業で使用するレジュメや資料は、授業の1週間前までにPDFファイルの形でLMSで公開しますので、初回にお渡しする「予習・復習のポイント」を参考にしながらレジュメや資料を読み、内容を理解するとともに、疑問点などを明らかにしておいてください。

その他履修上の注意事項

 「世界の情勢(アジア)I」と「世界の情勢(アジア)II」を続けて履修することをおすすめしますが、この科目だけを履修した場合でも内容が理解できるように配慮します。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション:授業の概要と進め方、インドについての概要
第2回インドの政治(1):政治制度と民主主義、インドは本当に民主主義の国と言えるのか
第3回インドの政治(2):選挙制度と政党政治
第4回政治と社会(1):カースト制度、カーストが政治に及ぼす影響
第5回政治と社会(2):インドにおける主な宗教、宗教をめぐる対立
第6回政治と社会(3):統治をめぐるイデオロギーの対立
第7回政治と経済(1):独立後の経済政策、経済自由化のインパクト
第8回政治と経済(2):アイデンティティ政治とガバナンス
第9回インドの政治(3):現在のインド政治の状況
第10回インドの諸問題(1)若者:若者の雇用問題、若者の政治意識の高まりと活発な政治参加
第11回インドの諸問題(2)農民:インド経済における農業の重要性、農民が直面している諸問題
第12回インドの諸問題(3)女性:伝統の担い手としての女性、女性に対する暴力
第13回インドの諸問題(4)環境:大気汚染や水質汚染の問題にどう対応していくか
第14回インドの諸問題(5)汚職:政治腐敗の問題にどう対応していくか
第15回授業のまとめと試験