担当者 | ||
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | HEA-201 |
現代の歴史学においては、ジェンダー視点による研究が不可欠となっている。これまで男性視点から、あたかも客観的かつ中立であるかのように書かれたり解釈されてきた史料を読み直し、西洋古代史をジェンダー視点から再解釈する。
主題としては、古代マケドニア王国・ヘレニズム諸王国・ローマ帝国における女王・王妃を取り上げる。王位継承・一夫多妻・権力行使をキーワードとして史料と表象を読み解き、王族女性の歴史的意義を明らかにする。それを通じて同時代の史料と後世のイメージの乖離を明らかにし、古代の女王・王妃の実像に迫る。
ここで得られた方法論は、これからあらゆる場面で活用できるはずである。
古代史料をジェンダー視点で解釈し、必要箇所を引用しながら自分なりの言葉づかいで表現できること
ジェンダー論の意義を正確に理解し、従来の男性視点による研究を批判的に読解できること
中間試験40%、期末試験60%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 毎回プリントを配布する | ||
参考文献 | アレクサンドロスとオリュンピアス | 森谷公俊 | ちくま学芸文庫 |
参考文献 | アルシノエ2世:ヘレニズム世界の王族女性と結婚 | カーニー(森谷公俊訳) | 白水社 |
授業終了時に次回に使用するプリントを配布するので、必ず事前に読んでくること
毎回小さな課題を出して答案を書いてもらい、その提出をもって出席を認定する
回 | 授業内容 |
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第1回 | (オンライン授業) オリエンテーション・ジェンダー史とは何か 古代ギリシアの女王たち:ホメロスから前4世紀まで |
第2回 | 古代マケドニア王国史 王妃エウリュディケ:フィリッポス2世の母にして最初の自立した王族女性 |
第3回 | 王妃オリュンピアス(その1):フィリッポス2世の妻にしてアレクサンドロス大王の母 フィリッポス暗殺事件にオリュンピアスは関与したか |
第4回 | (オンライン授業) 王妃オリュンピアス(その2):後継者戦争とマケドニア王家の断絶 |
第5回 | アケメネス朝ペルシアの王族女性たち:ギリシアの歴史家はどう描いたか アレクサンドロス大王の女性たち |
第6回 | アルシノエ2世(その1):プトレマイオス朝の一夫多妻と王位継承争い |
第7回 | アルシノエ2世(その2):兄弟姉妹婚はなぜ成立したか 答案の書き方練習 |
第8回 | 前半のまとめと中間試験 |
第9回 | 答案の返却と講評、書き直しの指示 クレオパトラ女王(その1):同時代史料による再構成 |
第10回 | クレオパトラ女王(その2):後世のイメージと家父長制思想 |
第11回 | ボウディッカ:ブリテン島イケニ族の女王、対ローマ蜂起とその描かれ方 |
第12回 | 女王ゼノビア:パルミュラ王国とローマ |
第13回 | 皇妃テオドラ:ユスティニアヌス帝の妃、踊り子出身の皇妃による社会政策 |
第14回 | クレオパトラの娘セレネ:女王の遺産と北アフリカ 答案の書き方練習 |
第15回 | 後半のまとめと期末試験 |