考古学特殊講義4A-Ⅰ
担当者植月  学教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングARC-217

授業の概要(ねらい)

 動物考古学の研究方法を理解し、人と動物、人と自然環境の関係という視点から歴史を捉え直し、未来を考察する力を養う。前期は家畜を取り上げる。
 家畜は人類の歴史に大きな影響を与えてきた。食料、材料、動力などを提供し、生産性を飛躍的に高めて、社会変化を加速度的に進めた。一方で、様々な感染症の原因ともなり、人類に脅威をもたらしもした。そうした感染症への免疫力の獲得が特定集団の他集団に対する優位性を高め、その後の歴史の流れを左右する大きな要因となったという意味でも人類史上重要な位置を占める。このような人類と家畜の関係は昨今のコロナウィルスの蔓延によって改めて見つめ直されるようになってきている。そこで、本講義では人類と家畜の歴史に関する研究方法や最新動向を解説するとともに、これからの家畜との関係について考えていきたい。

授業の到達目標

①動物考古学に関する最新の動向、研究法を説明できる。
②論文を読んで内容を理解し、概要を説明できる。
③論文を批判的に読み込み、自分の意見を述べられる。
①は年間を通じて、②は主に前期で習得し、後期には③ができるようになることを目指す。

成績評価の方法および基準

講義内容に関する小レポート(60%)、期末試験(40%)。
(毎回終了後に講義内容に関する意見や質問を小レポートとして提出してもらう)。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献

準備学修の内容

課題論文を事前に配布する。取り上げる回までに読み込んで、自分なりの疑問点や問題点をまとめておくこと。

その他履修上の注意事項

「動物考古学」の講義よりも専門的な内容になるため、すでに受講済み、もしくは同時に受講していることが望ましい。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス 家畜とは
第2回家畜化を探る(1) 形態
第3回家畜化を探る(2) 性別と年齢
第4回家畜化を探る(3) 食性
第5回家畜化を探る(4) DNA
第6回家畜化を探る(5) 病理
第7回家畜の管理(1) 移動
第8回家畜の管理(2) 給餌
第9回家畜の管理(3) 文献にみる
第10回家畜の利用(3) 乳、毛
第11回家畜の利用(4) 運搬、耕起
第12回家畜の利用(1) 肉
第13回家畜の利用(2) 皮、骨
第14回家畜の処理と階層、差別
第15回期末試験とふりかえり