精神疾患とその治療
担当者池田 政俊教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [心理学科 2018年度以降]
科目ナンバリングPSS-101

授業の概要(ねらい)

 精神医学は、自然科学と人文・社会科学の両方の側面を持つ臨床医学でも特殊な領域である。心理臨床にたずさわろうとする者にはその学習が欠かせない。本講義では、こころの病気とは何なのか、どのような状態が病とされているのか、治るとはどういうことなのか、といったことについて、一人の人間としてこころを病むとされる人々を理解することに重点を置き、精神医学が脳科学や心理学、精神病理学、精神分析学、さらには社会との関連の中で、「病」をどのように考え、その体系を作ってきたかについて、大まかに学ぶことを目的とする。小グループに分かれての討論も取り入れていく予定である。

授業の到達目標

 この講義は臨床実践領域の知識を修得し、その法則や理論を説明できることを目標としている。具体的には、「病」とは何か、という本質的な問題を踏まえながら、精神医学の歴史や概要を学び、精神医学の基本的事項を修得する。

成績評価の方法および基準

 講義ノートの提出10%、試験(LMS上で13回目の講義と15回目の講義の間に行う予定)90%の予定である。出席は義務付けないが、期間中数回、その日の講義内容を30分間ほどかけて自らとったノートに沿ってまとめ、提出を求める。講義出席前にLMSあるいは下記池田のホームページを参照して予習し、パワーポイントで製作したPDFファイルを参照しておくことを勧める。15回目の講義で試験の解説を行う予定とする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 テキスト:特に定めない。
教科書 その他、講義中および下記ホームページで適宜呈示する。
参考文献『知っておきたい精神医学の基礎知識―サイコロジストとコ・メディカルのために』(単行本) 上島 国利(編集)、平島 奈津子(編集)、上別府 圭子(編集)
誠信書房
参考文献『新体系看護学全書:精神看護学Ⅰ/精神看護学概論/精神保健』第1章Ⅱ精神(心)の構造とはたらき  岩崎弥生(編集)、渡邉博幸(編集)、
 pp45-70池田政俊(著)
メヂカルフレンド社

準備学修の内容

 事前にPPTに目を通すことや、テキストや、講義内やHPで提示する参考文献に目を通し、A4で1枚程度のレポートにまとめてくることが望まれる。

その他履修上の注意事項

 聴講しようとしている他学生の邪魔をしないこと(私語、携帯電話など)。また、主体的、積極的な参加が望まれる。
 適宜HP(http://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/~m-ikeda/index.htm)を参照すること。
 PDFファイルを閲覧するためのパスワードは講義中に呈示するほか、7号館8階心理学研究支援室周囲に掲示する。

※2018年度以降の入学生には、公認心理師受験資格に必要な科目です。2017年度以前の入学生は、心理学科のホームページを参照してください。
※本科目の単位取得は、公認心理師プログラムの履修要件です。

授業内容

授業内容
第1回 以下の予定であるがあくまでも目安である。
 総論:精神障害の考え方・症状・病理について学ぶ
第2回 総論:精神疾患総論(代表的な精神疾患についての、成因、症状、診断法、検査、治療法、経過、本人や家族への支援を含む。)について学ぶ
第3回 神経症性障害について学ぶ
第4回 心身症について学ぶ
第5回 睡眠・摂食・性関連障害について学ぶ
第6回 気分障害(うつ病、躁うつ病)について学ぶ
第7回 統合失調症1について学ぶ
第8回 統合失調症2について学ぶ
第9回 脳の急性・慢性障害、器質性精神障害について学ぶ
第10回 アルコール・薬物関連障害について学ぶ
第11回 児童・青年期精神障害
 (精神遅滞、発達障害-学習障害・自閉症・アスペルガー障害など)について学ぶ
第12回 性格のかたより(人格障害)について学ぶ
第13回 治療法(向精神薬をはじめとする薬剤による心身の変化、を含む)、医療機関との連携、病院精神医療および地域精神医療について学ぶ
第14回 オンライン授業:LMS上での試験と解説
第15回 試験解説