国際協力論Ⅰ
担当者西岡  淳教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングINR-201

授業の概要(ねらい)

「国際協力」という言葉は、様々な場面で用いられているが、独立の用語としては、日本では「開発途上国に対する経済協力」を意味することが多い。この授業では、主に「国際開発援助」即ち「開発途上国に対する先進国や国際機関による開発のための援助」としての国際協力を学ぶ。第2次世界大戦後独立した国の多くは開発途上国に分類されるが、この「開発途上国」という区分は何を基準としているのか、「開発途上である」とはどのような状態のことか、また先進国や国際機関は開発途上国がそうした「開発途上の状態」から脱するために「開発援助」を通じてどのような取り組みを行ってきたのか、そして現状はどうか、さらに開発途上国の開発問題が世界全体にどのような影響を及ぼしているのかなどのテーマに基づき、開発途上国と開発問題を概念的かつ具体的に理解できるように授業を進めていく。
 授業では、「国際開発援助」の枠組みとODAについて理解し、開発経済学の動向にも触れつつ「国際開発援助」の歴史的変遷について概観する。さらに、外務省及び海外経済協力基金(現在のJICA)において実際の開発援助に携わった私自身の経験を基に、日本のODAの歴史と特長について概説する。また、アジアとアフリカの開発問題の状況についても俯瞰的に取り上げる。さらに、外部の専門家による開発援助の現場での経験を語ってもらう機会を予定している 
 今日の国際社会が直面する様々な問題の多くが開発途上国と開発問題に関連付けられると言っても過言ではない。国際開発援助に関する知識を身に付けることで、世界の人々が直面する政治・経済・社会の課題についての理解を深めるとともに、その解決方法についても考察できるようになることを目指す。
なお、第13回目の授業はオンライン(LMSによるオンデマンド形式)で行う(予定)。 

授業の到達目標

開発途上国の定義や課題について説明できる。
開発援助の潮流と現在の動向について説明できる。
国際理論と実例に基づきアジアをはじめとする世界の開発問題について説明できる。

成績評価の方法および基準

平常点(出席及びリアクションペーパーの提出、LMSによる復習テスト/課題):60%
期末テスト:40%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特に使用しない。授業では、スライドを用いる。
教科書
参考文献『国際協力 その新しい潮流(第3版)』下村恭民、辻一人、稲田十三、深川由起子有斐閣(2016)
参考文献『テキストブック 開発経済学 (第3版)』ジェトロアジア経済研究所、黒岩郁夫、高橋和志、山形辰史有斐閣(2015)
参考文献『これからの日本の経済協力 ビッグドナーからスマートドナーへ』黒崎卓、大塚啓二郎日本評論社(2015)
参考文献

準備学修の内容

毎回の授業後にLMSによる復習テストまたは課題を課すので、自宅学修を行ってください(成績評価の対象となります)。

その他履修上の注意事項

遅刻は減点対象とします(但し、45分以上の遅刻は出席とはカウントしません)。
欠席が6回以上の場合は、成績評価の対象とならないので、出席するよう心がけてください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス(授業の目的、授業の進め方、成績判定についての説明)
開発途上国に暮らしてみて
第2回開発途上国とは
第3回開発途上国に対する資金の流れと政府開発援助(ODA)
第4回国際開発援助レジーム/ 国際開発援助の沿革
第5回国際開発援助の沿革(続き)
第6回国際開発援助の沿革(続き)
第7回開発と環境問題
第8回開発とグローバリゼーション
第9回日本のODA
第10回日本のODA(続き)
第11回開発援助の現場から(外部専門家による講演1)
第12回アジアの開発問題
第13回[オンライン]アフリカの開発問題
第14回開発援助の現場から(外部専門家による講演2)
第15回新興国による途上国援助

なお、以上は予定であり、変更することがあり得る。