多摩地域学序説
担当者深谷 幸治教員紹介, 山本 英貴教員紹介, 櫛原 功一教員紹介, 平野 淳平教員紹介, 宮川 麻紀教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [文学研究科 日本史・文化財学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 帝京大学八王子キャンパスが立地している、多摩地域の自然環境と歴史を理解するためのオムニバス形式の授業である。対象は多摩丘陵を中心としたた多摩川流域を主とし、また歴史上の武蔵国にも広がる。多摩川流域と多摩丘陵の自然的特色や、また考古学の対象となる先史時代から始め、自然地理的な事象、また古代・中世・近世へと多摩地域の歴史をたどり、現代の多摩地域を取り巻く諸問題についても考える。
 可能であれば授業中に校外学習を行う回も設けたいが、その場合は曜日・時間が変更になる場合がある。

授業の到達目標

 本学が立地する多摩地域は、自然と歴史の豊かな地域であり、そうした地元の自然と歴史を総合的に研究し、その研究成果を地元に還元することは、大学に課せられた重要な使命である。またそれは大学の研究者のみならず、大学院という高等教育機関に学ぶ学生たちにとっても、有意義な営為である。その趣旨に基づいて、大学院生がこの地域の研究を自覚的に行い、新しい知見と認識を得ることができるようになることを目標とする。

成績評価の方法および基準

 具体的にはこの講義を担当する各教員が授業の中で発表するが、一般的には各講義内容に関連する分野についてのレポートを提出することとなる。その内容を成績評価の基準とする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 テキストはこの講義を担当する各教員が発表・指示する。
参考文献新多摩川誌新多摩川誌編集委員会(河川環境管理財団、2001年)
参考文献縄文の実像を求めて今村啓爾(吉川弘文館、1999年)
参考文献東京都の歴史武内誠編(山川出版社、2010年)
参考文献日野市史資料集 高幡不動胎内文書編日野市(日野市史編纂委員会、1993年)など。

準備学修の内容

 各講義に関する文献調査とその読破が期待される。

その他履修上の注意事項

 少数による授業でもあり、欠席をせず積極的に参加してほしい。将来的に教員や学芸員を目指す場合、参考となる情報も多く得られる。自分の専門と異なる場合でも、全ての授業内容にきちんと取り組むこと。

授業内容

授業内容
第1回 多摩丘陵の地形の成り立ち(平野淳平)。
第2回 ニュータウン開発に伴う地形の変化(平野)。
第3回 多摩地域の気候(平野)。
第4回 校地内遺跡にみる縄文時代遺跡(櫛原功一)。
第5回 校地内遺跡にみる横穴墓と古代集落遺跡(櫛原)。
第6回 真慈悲寺と仁王塚の経塚(櫛原)。
第7回 ヤマト王権と武蔵(宮川麻紀)。
第8回 武蔵国府と国分寺(宮川)。
第9回 関東地方の情勢と動乱(宮川)。
第10回 高幡不動胎内文書について(深谷幸治)。
第11回 高幡不動胎内文書について、その2(深谷)。
第12回 戦国大名北条氏と多摩の城郭(深谷)。
第13回 多摩地域における災害と対応(山本英貴)。
第14回 享保期における武蔵野新田の開発(山本)。
第15回 八王子千人同心の身分(山本)。