担当者 | 橋本 悟教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [経済学科] | |
科目ナンバリング | PFP-302 |
本講義は、政策課題を経済学的な視点から考えることを基本とする。ある程度確立された分析手法があるため、その手法を身につけて政策課題を経済学的な視点から議論できるようになることを目的とする。
授業は基本的にレジュメを使って行う。理解を深めるためにできるだけ具体例を多く用いて、その具体例をベースに理論について学習する。数式はできるだけ使わずに図表を用いて説明を行う。
公共経済学Ⅱでは、理論だけでなく制度的な部分にまで踏み込んで学習する予定である。理論についてはミクロ経済学やマクロ経済学の内容も含む。
この授業における到達目標は以下のとおりである。
(1)政府の行う政策課題について、経済学的な視点から議論することができる。
(2)日本の公共部門のもつさまざまな課題について自分の意見を述べることができる。
授業中の課題・宿題など(20%)、期末試験(80%)ただし、受講者数によっては変更する可能性がある。詳細は履修者が確定次第アナウンスする。
試験の問題は、経済学の理論をベースとした問題である。計算問題も出題される。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | テキストは使用しない。参考文献は以下の通り。授業を受けて、内容に興味を持ったならば、以下の参考文献でさらに詳しく勉強してほしい。 | ||
参考文献 | (2017)『公共経済学』 | 佐藤主光 | 新世社 |
参考文献 | (2015)『公共経済学(第2版)』 | 井堀利宏 | 新世社 |
参考文献 | (2010)『公共経済学』 | 林正義・小川光・別所俊一郎 | 有斐閣アルマ |
参考文献 | (2012)『入門経済学(第4版)』(第7章:公共部門) | スティグリッツ・ウォルシュ | 東洋経済新報社 |
予習については、マクロ経済学の基本的な理論を確認すること。特に45度分析、経済成長理論の部分は重点的に予習を行ってほしい。
復習については以下の4点に注意しながら行ってほしい。
(1)新聞やニュースで関連する記事に目を通し、自分の考えを持つこと。
(2)授業の際に扱った専門用語を覚えること。
(3)授業で扱った理論について確認すること。
(4)レジュメの演習問題を解くこと。
本講義は経済学の応用分野であり、経済学的手法を公共政策に応用させたものである。したがって無差別曲線や予算線といった基本的なミクロ経済学の知識や、45度分析、経済成長論、国際貿易などのマクロ経済学の知識があることが望ましい。ただし、授業では適宜、復習をする予定である。
政策に対する議論は、とかく感情的・主観的になりやすいが、この授業を通じて経済学的な視点から政策に対する議論ができるようになると思う。やや難しい部分もあるが、がんばってついてきてほしい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス(公共経済学とは何か。経済学的な思考方法)オンラインを予定。 |
第2回 | 資源配分機能(自然独占産業) |
第3回 | 資源配分機能(公共財、外部性) |
第4回 | 資源配分機能(情報の非対称性) |
第5回 | 所得再分配機能(所得格差の是正、ローレンツ曲線) |
第6回 | 所得再分配機能(負の所得税、価格政策) |
第7回 | 所得再分配機能(年金政策) |
第8回 | 経済安定化政策(マクロ経済学の復習、45度線分析) |
第9回 | 経済安定化機能(財政政策の必要性、ビルトインスタビライザー) |
第10回 | 経済安定化機能(金融政策、IS-LM分析) |
第11回 | 経済安定化機能(経済成長の概要、経済成長の源泉) |
第12回 | 経済安定化機能(ハロッド=ドーマー理論、新古典派理論、内生的経済成長論) |
第13回 | 公共部門の効率化(費用便益分析、PFIなど) |
第14回 | 産業組織論から見た公共政策 |
第15回 | 総復習(問題演習など) |