担当者 | 大田 浩司教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [外国語研究科 超域文化専攻] | |
科目ナンバリング |
ヨーロッパでは古代から「狂気」は日常的なものの見方を揺るがす創造的インスピレーションを人間に授けると考えられてきました。この授業では、松本卓也『創造と狂気の歴史―プラトンからドゥルーズまで』(2018)を教科書にし、古代から現代にいたるヨーロッパの思想家たちが芸術創造と狂気との間の関係についてどのように考えてきたのかを探求します。
1. ヨーロッパにおける美学の歴史の基礎知識を獲得する。
2. 文化・芸術研究の分野で議論の現代的水準に対応できるための論理的・批判的思考を養う。
3. 文化や芸術を論じるための基礎となる方法論を学び、自分自身の研究にフィードバックできる。
ディスカッションへの参加度30%、発表30%、学期末レポート40%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『創造と狂気の歴史―プラトンからドゥルーズまで』 | 松本卓也 | 講談社選書メチエ |
参考文献 | 『パイドロス』 | プラトン(藤沢令夫訳) | 岩波文庫 |
参考文献 | 『問題集』(『アリストテレス全集』第十三巻) | アリストテレス(丸橋裕ほか訳) | 岩波書店 |
参考文献 | 『方法序説』 | ルネ・デカルト(山田弘明訳) | ちくま学芸文庫 |
参考文献 | 『カント「視霊者の夢」』 | イマヌエル・カント(金森誠也訳) | 講談社学術文庫 |
参考文献 | 『美学講義』全三巻 | G.W.F. ヘーゲル(長谷川宏訳) | 作品社 |
参考文献 | 『ヘルダーリン全集』全四巻 | ヘルダーリン(手塚富雄ほか訳) | 河出書房 |
参考文献 | 『芸術作品の根源』 | マルティン・ハイデガー(関口浩訳) | 平凡社 |
参考文献 | 『ラカンの精神分析』 | 新宮一成 | 講談社現代新書 |
参考文献 | 『フーコー・コレクション 2 文学・侵犯』 | ミシェル・フーコー(小林康夫ほか編) | ちくま学芸文庫 |
参考文献 | 『エクリチュールと差異』 | ジャック・デリダ(合田正人ほか訳) | 法政大学出版局 |
参考文献 | 『意味の論理学』全二冊 | ジル・ドゥルーズ(小泉義之訳) | 河出文庫 |
教科書の該当箇所に関する学生の発表を中心に授業を進めていきますが、発表者以外の受講者も毎回教科書の該当箇所を精読した上で授業に臨むようにしてください。
ディスカッションへの積極的な参加は評価の重要な対象となりますので、積極的・主体的に知識を獲得しようとする探求心が求められます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション、受講者の研究紹介 |
第2回 | 第1章:「創造と狂気」の関係を問う(ゴッホ、草間彌生) |
第3回 | 第2章:プラトン―神的狂気と創造 |
第4回 | 第3章:アリストテレス―メランコリーと創造 |
第5回 | 第4章:フィチーノとデューラー―怠惰からメランコリーへ |
第6回 | 第5章:デカルト―狂気に取り憑かれた哲学 |
第7回 | 第6章:カント―狂気を隔離する哲学 |
第8回 | 第7章:ヘーゲル―狂気を乗り越える哲学 |
第9回 | 第8章:ヘルダーリン―ついに統合失調症が現れる |
第10回 | 第9章:ハイデガー―詩の否定神学 |
第11回 | 第10章:ラカン―「詩の否定神学」の構造論化 |
第12回 | 第11章:ラプランシュとフーコー―ヘルダーリンと父の問題 |
第13回 | 第12章:アルトーとデリダ―病跡学の脱構築 |
第14回 | 第13章:ドゥルーズ―「詩の否定神学」からの逃走 |
第15回 | 前期授業のまとめ、学期末レポートの提出 |