中国経済論Ⅰ
担当者朴  敬玉教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-319

授業の概要(ねらい)

 中国経済は、1978年に始まった改革開放政策から急速な経済成長を遂げて、現在では物品貿易量世界1位、GDP世界第2位の経済大国になっている。現在のような飛躍的な経済発展を理解するためには、長期的な視点で中国の政治社会と経済制度の変化を確認する必要がある。また、厖大な人口への食糧供給を実現した農業も中国経済発展の重要なファクターであることから、産業化する中国農業の現状を具体的に解説し、理解を深める。
 本授業は、急速な経済成長を遂げた中国経済について、前期は、都市部・工業を中心に、成長の担い手となった様々な企業と技術などの問題を取り上げる。後期には製造業など工業の高度成長の陰で見過ごされてきた農村部・農業を中心に、郷鎮企業や出稼ぎ労働者、食糧などの問題を取り上げて分かりやすく解説する。同時に急速な経済成長がもたらした様々な弊害や新しい問題点についても、議論を通じて、理解を深める。

授業の到達目標

①ダイナミックに変化する中国経済について理解し、事例をもって簡単に説明できること。
②中国改革開放の政策の変化や企業環境の変化、特に日系企業の進出過程等に関してきちんと整理できること。
③中国の農業の産業化について理解し、事例をもって簡単に説明できること。

成績評価の方法および基準

授業参加度・コメントシート(40%、授業中の態度、課題の提出等)、定期試験(30%)及び発表(30%)を以て総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書教科書は指定しないが、授業中資料を配布する 。
参考文献『現代中国経済』丸川知雄有斐閣
参考文献『中国経済学入門―「曖昧な制度」はいかに機能しているか』加藤弘之名古屋大学出版会
参考文献『20世紀中国経済史論』久保亨汲古書院
参考文献『産業化する中国農業――食料問題からアグリビジネスへ』宝剣久俊名古屋大学出版会

準備学修の内容

・テレビやインターネットなどの中国経済に関する内容について関心を持ち、興味のあるテーマについて深く調べること。
・授業の進捗に合わせて指示した記事や文献をよく読みこんで理解すること。

その他履修上の注意事項

①欠席および公欠の扱いについては、大学の規定にしたがいます。
②第9回目の「オンライン」は他の週に変更する可能性があります。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回1949年以前の中国経済
第3回計画経済期の重工業優先発展戦略
第4回市場経済への転換
第5回国有企業と産業政策①
第6回国有企業と産業政策②
第7回外資系企業と対外開放政策①
第8回外資系企業と対外開放政策②
第9回授業の振り返り・復習(オンライン)
第10回民間企業と産業集積①
第11回民間企業と産業集積②
第12回技術:世界の先端へ
第13回中国経済の持続可能性と所得格差問題
第14回中国経済の世界的影響
第15回中国経済成長の要因と課題の分析・学習総括・期末定期試験