演習Ⅰ
担当者古市 将人教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングSEM-301

授業の概要(ねらい)

 卒業後、どのような進路を選ぼうとも、ある問題を調査し、その結果を報告書として提出し、または人前でプレゼンテーションをする機会に遭遇する。本演習では、最終的に参加者が自分の関心のあるテーマを選び、文献調査や資料収集を通して、自らの問題関心を深める能力を構築することを目標としている。諸問題に関して理解を深めながら、調査能力、分析能力、結果の整理・発表の能力を身につけていくことがこの演習の目的である。以上の能力を身につけるために、本演習では、文献の輪読や資料の読解を行う。本演習では、基本的に、日本財政や地方財政に関する問題を取りあげる予定だが、参加者の問題関心に沿って演習をすすめていく。
 春学期は、財政学や政府統計の基本を学ぶ。次に、文献の輪読を通じて、資料の作成、プレゼンの基本について学び、最終的にはレポートの書き方を学んでもらう。基本的な課題は以下の通りである。
 ①調査・研究能力を鍛える
  ・政府HPや自治体HPより、基礎的な資料や統計の入手の仕方を理解する。
  ・集めた資料を素材に基礎的な分析方法を学ぶ。
  ・文献の輪読を通じて、テーマの設定、分析の手法について学ぶ。
 ②具体的なテーマにグループで取り組み、その成果を発表する(春学期最終報告)。
 ③内外の合同ゼミに参加し、ゼミ活動での成果を発表する

授業の到達目標

(1)他の人と協力して調査研究を行い、その成果を報告できる。
(2)公的な統計・資料を収集し、特定のテーマについて調査することができる。
(3)規定の様式に従ったレポートを執筆し、その内容を報告できる。

成績評価の方法および基準

 基本的に、演習への参加状況や発表、提出物の質などを踏まえ、総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書地域衰退宮崎雅人岩波書店、2020年。
教科書 MELIC2階の指定図書コーナーには、参考文献の多くが揃っている。
参考文献『福祉財政』高端正幸・伊集守直編ミネルヴァ書房、2018年。
参考文献『貧困』駒村康平編ミネルヴァ書房、2018年。
参考文献『格差社会』橘木俊詔編ミネルヴァ書房、2012年。
参考文献『コピペと言われないレポートの書き方教室:3つのステップ』山口裕之新曜社、2013年。
参考文献『政策リサーチ入門―仮説検証による問題解決の技法 増補版』伊藤修一郎東京大学出版会、2022年。
参考文献『日本財政の現代史Ⅰ 土建国家の時代 一九六〇〜八五年』井手英策編有斐閣、2014年。
参考文献『日本財政の現代史Ⅱ バブルとその崩壊 一九八六〜二〇〇〇年』諸富徹編有斐閣、2014年。
参考文献『日本財政の現代史Ⅲ 構造改革とその行き詰まり 二〇〇一年〜』小西砂千夫編有斐閣、2014年。

準備学修の内容

 毎回の課題文献・論文の指定箇所を事前に読みこみ、疑問点や興味深い点を整理しておくこと。演習内では課題について議論をする。また、報告担当者は自分の報告準備を入念にすることが望ましい。講義内でデータ収集と分析の実習をする場合は、事前に資料をLMSにアップロードする。履修者は、その資料を用いて実習の予習をすることが望ましい。

その他履修上の注意事項

 第8回目はオンライン授業(LMSのオンデマンド形式)である。ただし、第8回目のオンライン授業回を変更する可能性もある(その場合は事前に連絡をする)。
 人前で発表することや、文章執筆を過度に怖がる必要はありません。心配いりません、必ずできるようになります。

授業内容

授業内容
第1回春学期は、①発表の練習、②文献の輪読をする。輪読を通して各人の問題意識を深める。第1回目では、春学期の演習内容に関する解説や課題図書の説明などを行う。テキストに依拠しながら、春学期は演習を進める。この日に、テキストの報告担当者を決める。
第2回プレゼンテーションとレポートの基本構造を学ぶ
第3回「地域衰退」とは何か:テキスト第1章輪読
第4回地域衰退のメカニズムを学ぶ(1):テキスト第2章輪読
第5回地域衰退のメカニズムを学ぶ(2):テキスト第3章輪読
第6回政府による地域衰退対策は有効だったのか:テキスト第4章輪読
第7回地域衰退を食い止めるために必要な対策とは何か:テキスト第5章輪読
第8回論文の輪読:日本の財政問題を学ぶ論文を読む予定。
この回の講義はオンライン授業(LMSのオンデマンド形式)
第9回『地域衰退』に関する論点整理と共同研究の構成決定。
第10回「地域おこし協力隊」に関する論文輪読
第11回都市への人口集中に関する論文輪読
第12回資料・データの収集とその検討
第13回資料・データの収集とその検討及び最終報告の準備
第14回若者の雇用機会に関する論文輪読予定
第15回春学期最終報告と春学期の内容の復習