担当者 | 増渕 達夫教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [初等教育学科 こども教育コース] | |
科目ナンバリング | EDU-118 |
選挙権年齢や成年年齢の引き下げなどに伴い、生徒が自立した主体として社会に参画できるようにするための資質・能力の育成が求められている。
そこで、本授業では、現代社会で若者が直面しそうな具体的な事例の検討を通して、自らの意見をまとめて発表したり、受講者間での意見交換を行ったりしながら、契約に関する法的な規定の基礎を理解できるようにする。また、法令の検索や読み取りのための基本的な技能を習得するとともに、自由や責任、権利や義務などについて考察を深め、中学校や高等学校の教員として必要な知識や技能、思考力、表現力等を身に付けることをねらいとする。
○ 中学校社会科や高等学校公民科における契約に関する指導内容を理解し、自ら指導を行うことができるようにするための基本的な知識を習得する。
○ 関係法令の基本的内容を理解し、自ら必要な情報収集を行うことができる。
○ 契約に当たってのトラブルへの対応方法について、根拠をもって簡潔に説明できる。
○ 毎回の授業で求める課題や演習への取組等の平常点 50%
○ 学修内容の確認テスト 50%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 授業内容に応じて指示する。 | ||
参考文献 | 「ポケット六法」 | 佐伯仁志、大村敦志 | 有斐閣 |
参考文献 | 「未来を切り拓く法教育」 | 法教育推進協議会 | 法務省 |
参考文献 | 「18歳からはじめる民法」 | 潮見佳男、中田邦博、松岡久和 | 法律文化社 |
参考文献 | 「18歳から考えるワークルール」 | 道幸哲也、加藤智章、國武英生 | 法律文化社 |
○ 授業で使用する資料は、事前にLMSに掲載するので、プリントアウト等により、授業中確認できるようにしておくこと。
○ 授業で使用する資料には、授業で行う事例演習を掲載するので、関係法令を踏まえて自らの見解をまとめた上で授業に参加すること。
○ 授業では、民法を中心に、消費者契約法、特定商取引法なども参照するため、参考文献にあげた「ポケット六法」を用意したりスマートフォンやパソコン等で検索したりして、関係法令の条文に当たることができるようにしておくこと。
○ 社会科、公民科の教員を志すことを前提に授業を行うので、授業に臨むマナーやルール、授業態度などは、授業を受ける前提として厳しく問う。
○ 受講開始時点では民法に関する知識の有無は問わない。可能な限り演習や協議を行うため、積極的に授業に参画することを求める。
○ 安全かつ円滑に演習や協議を行えるようにするために、名簿確定段階で座席を指定する。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション ○ シラバスの内容を確認する。 ○ 成年年齢の引き下げの趣旨や課題に関する講義 ○ 中学校や高等学校における「契約」に関する学習内容に関する講義 ○ 法教育に関する講義 |
第2回 | ルールの意義 ○ 事例演習を通してルールの意義を考える(グループ協議) ○ 我が国の法体系に関する講義 ○ 民法の構成及び基本原理に関する講義 |
第3回 | 契約の基本的な考え方 ○ 事例演習と協議を通して、契約の成立、契約の自由の原則、実質的な平等を図るための対応、成年後見人制度などについて理解する。 |
第4回 | 賠償責任 ○ 交通事故の事例の検討と協議を通して、不法行為による損害賠償、自動車損害賠償法の趣旨、過失相殺、責任能力と未成年者の場合の保護者の監督責任などについて、基本的な事項を理解するとともに、法律の条文に基づいた適切な対応や課題等について考察する。 |
第5回 | 名誉毀損 ○ インターネット上の書き込みによる名誉毀損に関する事例の検討と協議を通して、人格権や名誉棄損と憲法上の表現の自由、プライバシーの権利などについて、基本的な事項を理解するとともに、法律の条文に基づいた適切な対応や課題等について考察する。 |
第6回 | 売買契約 ○ 売買契約に関する事例の検討と協議を通して、売買契約に伴って発生する権利と義務、債務不履行があった場合の救済手段、契約解除のための要件、未成年者が締結した契約の効力などについて、基本的な事項を理解するとともに、法律の条文に基づいた適切な対応や課題等について考察する。 |
第7回 | 委任 ○ 委任に関する事例の検討と協議を通して、委任契約や準委任契約の効力などについて、クーリングオフの可能性などにも触れながら、基本的な事項を理解するとともに、法律の条文に基づいた適切な対応や課題等について考察する。 |
第8回 | 通信販売 ○ 通信販売に関する事例の検討と協議を通して、契約の成立と履行遅滞、注文と異なる品物が届いた場合の対応などについて、電子消費者契約法や消費者契約法などにも触れながら、基本的な事項を理解するとともに、法律の条文に基づいた適切な対応や課題等について考察する。 |
第9回 | 占有 ○ 友人に貸した自分の持ち物を取り戻す場合の対応などに関する事例の検討と協議を通して、占有に関する民法上の規定、使用貸借契約の考え方、返却請求など、基本的な事項を理解するとともに、法律の条文に基づいた適切な対応や課題等について考察する。 |
第10回 | 金銭貸借契約 ○ 金銭貸借契約に関する事例の検討と協議を通して、利息制限法に基づく利息の上限、返還時期の約定、保証人の役割など、基本的な事項を理解するとともに、法律の条文に基づいた適切な対応や課題等について考察する。 |
第11回 | クレジット契約 ○ クレジット契約に関する事例の検討と協議を通して、クレジットカード取引の仕組み、カードの不正使用への対応、銀行のキャッシュカードの不正使用と預貯金者の保護など、基本的な事項を理解するとともに、法律の条文に基づいた適切な対応や課題等について考察する。 |
第12回 | 賃貸借契約 ○ アパートの賃貸借契約に関する事例の検討と協議を通して、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕が発生した場合の修繕費用の負担、家主から退去を求められた場合の対応など、基本的な事項を理解するとともに、法律の条文に基づいた適切な対応や課題等について考察する。 |
第13回 | 雇用契約 ○ 雇用契約に関する事例の検討と協議を通して、使用者の採用の自由と公平な採用選考、採用内定の法的性質、試行期間の考え方など、基本的な事項を理解するとともに、法律の条文に基づいた適切な対応や課題等について考察する。 |
第14回 | 学修の確認テスト(LMSによるオンデマンド形式) ○ 第1回から第13回までの内容について、LMSを介して確認テストを行う。 |
第15回 | 確認テストの解説とまとめ ○ 学修の確認テストの解説を行うとともに、本授業内容を中学校や高等学校の指導場面で活用する際の留意事項等を確認する。 |