授業の概要（ねらい）

　教師とは、子どもたちに基本的人権としての学習を提供する職業である。そうである以上、教師の仕事は決してでたらめに行われてはならず、熟慮された方法に裏づけられたものでなければならない。
　私たちはみな学校教育を経験してきているから、教師の用いる教育方法を、すでにいくらかは体験的に知っている。そしてそれを真似てみることは、実はそう難しいことではない。しかし、物真似がオリジナルのすべてを汲みつくせるわけではないし、そもそもその方法が目の前の子どもたちにとって充分なものであるとは限らない。したがって教師を志す者は、自分なりのよりよい教育方法をみずからつくりあげていく必要がある。
　そのために本講義では、特に戦後日本の教育方法史に焦点を当てながらそこで蓄積されてきた著名な教育方法の「遺産」を学びとり、グループ・ディスカッション等を通してその現代における適用可能性を探ることで、みずからよりよい教育方法を考案・創出する力の獲得をめざす。

授業の到達目標

①教育方法をめぐる歴史の展開を概説できる。
②教育方法をめぐる歴史的な成果のいくつかを詳細に説明できる。
③②の歴史的成果に現代的意義を見出し、みずからの教育方法を構想することができる。

成績評価の方法および基準

・中間課題（対面の場合グループワークの成果物）：40％
・最終レポート：60％

教科書・参考文献

準備学修の内容

・毎回の講義内容はたがいに関連しあっており、すでに講義した内容を前提にそれ以降の講義が行われる。受講者は前回の講義で配布された資料を読み込み、充分に復習したうえで次回の講義に臨むこと。
・あらかじめ資料や文献を配布し、その読解を宿題とすることがある。その場合にはただ機械的に読むのではなく、そこから自分なりの意見を引き出すような批判的読解をおこなうこと。

その他履修上の注意事項

　この授業はグループワークを含む授業であるため、学生たちの積極的な参加が非常に重要となる。受講者には、グループワーク時に他人任せにせず、みずから積極的に意見を表明する態度を求める。

授業内容