日本語教育方法論Ⅰ
担当者日野 純子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングJLE-205

授業の概要(ねらい)

 日本語教員としての基本的な知識、態度、考え方、コミュニケーションスキルを学ぶクラスです。今、日本語を母語としない人たちは、学校・地域・社会のあらゆる場面でその存在感を増してきています。これらの人たちに対して、上から「教える」のではなく、「対等」な立場で、どのよう日本語学習の支援ができるのかを考えます。はじめに、コースデザインや外国語・日本語教授法の基本を学びます。その中で、各自がこれまでの学校教育の中で培ってきた教育観、教師観、学習スタイル、また英語をはじめとする外国語を勉強したときの体験などと、比較・対照できるようにしましょう。そのうえで、多様な背景とニーズをもつ日本語学習者の支援のあり方について、各自で答えを見つけていきます。

授業の到達目標

 この授業はディプロマポリシーの中で、特に「教育の実践的方法論に即して、学校やその他の多様な場で教育活動を実践できる」こと、および「社会人として必要なコミュニケーション能力を養い、職業人として必要な使命感や責任感を身に付けている」の二つの習得をめざすものです。そのために、具体的に以下の三つの目標を掲げます。
1外国語・第二言語として日本語をとらえる考え方に基づき、様々なタイプの日本語学習者にあったコースデザインと教授法の基本を理解したうえで、それを事例を挙げながら自分のことばで説明できる。
2自分のこれまで受けてきた外国語学習の特徴やスタイルと比較対照しながら、日本語教育の特徴をつかみ、様々な学習者に対応できる基礎力を身につける
3 1,2を通して、国内外の様々なタイプの日本語学習者の支援について、適切かつ具体的な実践ができるようになる。

成績評価の方法および基準

1平常点(授業への参加、ワークシート、グループ活動への参加):50%
2中間のまとめテスト、最終のまとめテスト:50%
  *正当な理由なく5回以上欠席した学生には単位を与えられません*

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『日本語教師の役割/コースデザイン』国際交流基金編ひつじ書房
参考文献

準備学修の内容

 このクラスでは、教員による講義だけでなく、ペアやグループでの話し合いや個人での作業をしながら学んでいきます。自分とは異なる背景を持つ人と対話することは、新しい学びや気づきを与えてくれるだけでなく、教育者・社会人としてのコミュニケーション能力を習得するための良い機会です。その準備として、指定された教科書の章や参考文献を事前によく読んだ上で授業に参加しなければなりません。日本語非母語話者に対する「やさしい日本語」を使った基本的なやりとりや、様々なタイプの学習者に対する支援の基本スキルを身につけるための実践練習も行います。

その他履修上の注意事項

1各自、真摯な態度で授業や課題にのぞみましょう。
2遅刻、早退、欠席は避けましょう。
3第14回目の授業はLMSで行われる予定です。
4グループやペアでの作業には、相手を尊重しつつ積極的に参加しましょう。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション、グループ分け、授業の目標・概要について理解する。グループのメンバーについて知る。
第2回日本語教育の概要・国内外の日本語教育事情・学習者・教師について基本的事項を理解し、日本語教育の現状と課題を分析する
第3回コースデザイン1 ニーズ分析について基本的事項を理解し、学習者の事例の即したニーズを分析する
第4回コースデザイン2 目標言語調査・カリキュラムデザインについて基本的事項を理解し、学習者の事例の即した目標言語調査の内容を分析する
第5回コースデザイン3 教室活動について基本的事項を理解し、学習者の事例の即した教室活動の内容を分析する
第6回日本語教授法1 外国語としての日本語・教授法全体の外観について基本的事項を理解し、自身の受けた外国語教育について内省する
第7回第1~6回目の振り返り・中間のまとめテスト
第8回日本語教授法2 文法訳読法VSコミュニカティブアプローチについて基本的事項を理解し、日本語教育…英語教育におけるこれらの実践を分析する
第9回日本語教授法3 心理学に基づいた教授法について基本的事項を理解し、日本語教育…英語教育におけるこれらの実践を分析する
第10回日本語教授法4 行動主義に基づいた教授法について基本的事項を理解し、日本語教育…英語教育におけるこれらの実践を分析する
第11回評価とテストについて基本的事項を理解し、日本語教育…英語教育における事例を分析する
第12回地域における日本語支援VS学校型の教育について基本的事項を理解し、それぞれの実践事例を分析する
第13回日本語初級教材の分析・使い方について基本的事項を理解し、実際の授業で使える教材を作成する
第14回第1回から13回で学んだ日本語教育のコースデザイン・教授法に関わる基本的な知識の確認をした上で、具体的な学習者を想定した実践的な支援法について実践できるようになる(LMS)
第15回まとめ・復習・最終のまとめテスト