地方自治論Ⅰ
担当者中岡 淳教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングPUL-301

授業の概要(ねらい)

 明治期以来、「身近な地域の事務は地域の担い手である住民で処理していく」という基本的な思想が日本の統治制度の根底に流れています。本講義では、このいわゆる「地方自治」の理念とその制度の実際について学ぶことをねらいとしています。
具体的には、講義の前半で、首長、地方議会、地方公務員といった「地方政府」の主人公に焦点を当て、講義の後半では、これらの主人公が地域社会と中央政府に対して、どのような権限と役割を与えられているのかを考察します。特に、後期「地方自治論Ⅱ」が法学の知見から地方自治を重点的に講義する科目であるのに対して、行政学および政治学の知見を踏まえた地方自治の議論を展開する点に本講義の特徴があります。
また授業では、将来、都道府県や市区町村の地方公務員として勤めたいと考えている学生、地域に根ざした職業に就きたいと考えている学生の関心にできる限り応えられるよう、ふるさと納税や大阪都構想などの地域のアクチュアルな問題も積極的に取り上げていく予定です。学生同士、または、学生と教員との間でのディスカッションも適宜取り入れていきます。

授業の到達目標

①地方政府の担い手、その地域社会における役割、中央政府との関係について、地方自治の歴史と理論、その最近の動向も交えながら、適切に説明できる(教養と思考力)。
②地方自治の問題について主体的に考え、それを論理的に表現できる(主体性と表現力)。

成績評価の方法および基準

①授業中に実施する小レポート(20%)と②期末試験(80%)の成績で評価する。
 小レポートに関しては授業中に、期末試験に関してはLMS等で解説と講評を行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『地方自治論:2つの自律性のはざまで』北村亘・青木栄一・平野淳一(有斐閣、2017年)
教科書
参考文献『ホーンブック地方自治[新版]』磯崎初仁・金井利之・伊藤正次(北樹出版、2020年)
参考文献その他、教科書の「読書案内」に記載の文献を関心に合わせて読むことをお勧めします。

準備学修の内容

授業の回ごとに教科書の該当する予習範囲を指定します。授業を受ける前に該当箇所を一読し、重要だと思われる用語や難解な箇所にチェックをしておいてください。授業を受けた後は、筆記試験に向けて、教員が配布するレジュメに記載された練習問題を繰り返し解き、知識の定着に努めてください。

その他履修上の注意事項

 授業に参加する際は、教科書とレジュメを必ず持参してください。また、板書や教員の発言をレジュメやノートなどに適宜メモをするようにしてください。講義中は、他人への迷惑行為および私語を禁じていますので、該当する場合には退室をお願いしています。

授業内容

授業内容
第1回地方自治論の概要と授業の進め方(LMSによるオンデマンド形式)
第2回地方政府の主人公①:首長
第3回地方政府の主人公②:地方議会
第4回地方政府の主人公③:地方公務員
第5回地域社会における地方政府①:住民による統制
第6回地域社会における地方政府②:条例制定
第7回地域社会における地方政府③:地方自治体の組織編成
第8回地方政府と中央政府の関係①:地方自治体の権能と大都市制度
第9回地方政府と中央政府の関係②:地方税財政と予算
第10回地方政府と中央政府の関係③:中央地方関係の枠組みと理論
第11回映画鑑賞を通じて考える地方自治①:『県庁の星』
第12回映画鑑賞を通じて考える地方自治②:『県庁の星』
第13回学校教育をめぐる地方自治
第14回子育てをめぐる地方自治
第15回高齢者福祉をめぐる地方自治