演習Ⅰ
担当者寺川 隆一郎教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングSEM-301

授業の概要(ねらい)

 市場は資源を効率的に配分し、新たな商品や生産方法を生み出す優れた仕組みだが、同時に、社会関係を流動化し、金融危機や格差を生み出す負の側面も持つ。この演習では、文献や資料を読み込むことで、市場社会の矛盾を調停する「制度」の役割に着目した社会経済学/制度派経済学の考え方を学ぶ。テーマとしては、お金で買えるものと買えないもの、贈与と交換、共有と私有、コミュニティと自由、伝統と革新、といったものを考えている。このように書くと抽象的だが、基本的には、身近な、想像しやすい出来事をベースに、参加者全員で議論を進めていく。
 毎回の授業では主に、参加者全員で共通の文献を読み、その内容について議論する「輪読」を行う。輪読を通じて、経済・経済学の基礎知識を確認し、レジュメの切り方、発表の仕方、討論の仕方、レポートの書き方といった学術の作法を学ぶ。また、参加者諸君ができるだけ自由に疑問を述べたり、発言したりする機会を作るために、「哲学対話」という簡単なワークショップも定期的に行う。

授業の到達目標

現代の市場社会のどのような点に可能性や問題があるのか、自分なりの視点で論じられるようになる
関心を持った主題について、先行研究を踏まえ、問題を提起し、適切に論証できるようになる

成績評価の方法および基準

平常点40%、授業内報告30%、期末レポート30%
授業内報告と期末レポートについては、準備段階から随時フィードバックを与える

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『経済政策―不確実性に取り組む』松原隆一郎放送大学教育振興会
教科書『ゆっくり、いそげーカフェからはじめる人を手段化しない経済』影山知明大和書房
参考文献『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』梶谷真司幻冬舎新書
参考文献『GIVE &TAKE 「与える人」こそ成功する時代』アダム・グラント三笠書房

準備学修の内容

発表担当者はレジュメを準備し、そのほかの参加者は毎回、質問やコメントを用意してくること(文献読み2時間/週、レジュメ作成・コメント作成2時間/週)

その他履修上の注意事項

毎回の演習に出席し、積極的に発言すること

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
第2回輪読:複線的価値の交換による付加価値創出
第3回輪読:贈与原理と交換原理
第4回輪読:市場と組織と贈与原理
第5回輪読:社会関係の創出・更新と贈与原理
第6回ディベート解説①→論題決め
第7回ディベート解説②→論題決め(続き)→チーム分け
第8回審査のポイント、映像で見るディベート
第9回リサーチシート作成
第10回設計シート作成
第11回質疑応答と反駁のポイント
第12回模擬戦
第13回試合日
第14回試合映像を視聴し感想を書き提出(LMSによるオンデマンド形式)
第15回前期の振り返り