心理演習は、国家資格である公認心理師受験に必要な単位である。心理演習Ⅰは、心理学的基盤にたって、公認心理師として必要な知識および技法の基本的な水準の修得を目的とする。そのために、まずは心理支援を要する者の立場になって考えることができるようになるための知識の修得を目指す。同時に、公認心理師としての職業倫理及び法的義務を学ぶことにより、心理支援を必要とする者等への関わりの基本を身につける。
こうした知識の修得後、心理支援を必要とする者等との心理面接場面におけるコミュニケーションの取り方について学び、それを踏まえて具体的な場面を想定したロールプレイを実施する。精神科医療、終末期医療、乳幼児保健など保健医療領域、児童相談所や高齢者施設などの福祉領域、スクールカウンセリングなどの教育領域、少年非行など司法・犯罪領域、職場のメンタルヘルスなど産業領域における集団および個人の心理面接を想定することにより、様々な現場での面接を疑似体験し、想像できるようになることを目指す。
地域支援や地域連携に関しては、事例検討を通して学ぶ。病院や施設で援助を受けることができたとしても、居住地域において支援が受けられなければ、生活していくことが難しい。そのため、地域支援のロールプレイは、地域で生活していくことの大切さを学ぶことにもつながると考えられる。地域で医療や介護に関わる人々がそれぞれの役割を担い、お互いに情報共有することにより、今後の支援の目標を明確にしてチームで要支援者を支えていく地域連携については、依存症の自助グループや認知症の介護を事例として扱い、実際の支援場面に活かせるようにする。
心理演習Ⅰ(前期)で面接と地域支援・地域連携の実際、Ⅱ(後期)で心理検査と支援計画の立て方を学び、その両者においてチームアプローチと連携の視点を入れるという構成となっている。
本学における心理演習は、心理学に関する知識を活用し、公認心理師としての知識および技法の基本的な水準の修得を目的とする。そのために、心理に関する支援を要する者の立場になって考えることができるようになるための知識の修得を目指す。また同時に、公認心理師としての職業倫理及び法的義務を学ぶことにより、心理支援を必要とする者等への支援に関する基本を理解できるよう学ぶこととする。
授業への積極的態度(20%)、授業における課題(50%)、最終レポート(30%)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | |||
参考文献 | 心理援助の専門職になるために-臨床心理士・カウンセラー・PSWを目指す人の基本テキスト (臨床心理学レクチャー) | マリアン・コーリー、ジェラルド・コーリー | 金剛出版 |
参考文献 | 新版・方法としての面接ー臨床家のために | 土居健郎 | 医学書院 |
参考文献 | ロールプレイによるカウンセリング訓練のかんどころ | 氏原寛、藤田博康 | 創元社 |
毎回指定する論文を読み、ディスカッションの準備をしてくること
・授業には積極的に取り組むこと
・ 臨床の問題について取り扱うことになるので、倫理を犯さないよう気を付けること
・倫理違反があった場合には、単位取得はならない
※心理学科の公認心理師プログラムの履修が許可された学生のみが選択できる。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | ガイダンス:心理臨床の目指すところを学ぶ、受講者の自己紹介をする |
第2回 | 心理面接を開始する前に学ぶこと①枠組み:モチベーション、守秘義務、自己開示 |
第3回 | LMSによるオンデマンド:心理面接を開始する前に学ぶこと②臨床倫理 |
第4回 | 心理面接を開始する前に学ぶこと③成育歴・家族歴 |
第5回 | 心理面接の実際について学ぶ①DVDを見て実際を知る |
第6回 | 心理面接の実査について学ぶ②事例検討会を実施する |
第7回 | ロールプレイについての説明をすっる |
第8回 | ロールプレイ検討会を実施する① |
第9回 | ロールプレイ検討会を実施する② |
第10回 | ロールプレイ検討会を実施する③ |
第11回 | 箱庭療法について学ぶ |
第12回 | 箱庭療法の体験をする① |
第13回 | 箱庭療法の体験をする② |
第14回 | 箱庭療法の体験をする③ |
第15回 | 心理演習Ⅰ振り返りと心理演習Ⅱにむけての説明 |