担当者 | 池田 政俊教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [心理学科 2018年度以降] | |
科目ナンバリング | SEM-401 |
人間の心理を研究する基礎的方法論を学習するため、リサーチ、討論などを行う。2年次での心理学基礎実験実習および心理学検査・測定実習が、目的、方法、結果の整理の仕方等についてあらかじめ与えられていたのとは異なり、本演習では教員が用意するテーマに基づいて学生自らが研究手法の選択、計画の立案、データの収集及び分析を行う。
大まかには以下のステップの一部、あるいは全部となる。
1.研究計画立案のために必要な基本文献の講読
2.研究計画の立案
3.実験、調査、観察などの研究の実施
4.データの分析
5.レポートの作成
この授業は受身のものではなく、あくまでも各自が他のメンバーと協力して主体的にすすめていくことになる。
精神分析学的人間理解の研究
精神分析学は、精神分析療法という特定の心理療法を基本的な観察方法とし、その基礎経験を整理し理解するために新たな仮説・概念を構成し、さらに治療的実践によってそれらを検証する精神分析家たちの臨床経験の歴史的所産である。それは(1)人間の夢、言葉、失錯行為、空想、記憶、症状など、心的現象の無意識的意味を解読する独自の心理学的な解明方法であり、(2)治療・援助技法であり、(3)経験的素材に基づいて構成された心理学的精神病理学的理論であり、さらに(4)芸術、文化、社会心理、思想の理解にこの解明方法と理論を応用する応用領域を持つ。 普遍性を重視はするものの、かなり個別性が高く、実証研究にはつながりにくい領域である。しかし、例えば「自我同一性」「自己愛」などといった精神分析学的な知見を将来的に実証的な研究に応用する場合や、事例研究などで抽出されたアイデアが新しいものであることを示すためには、詳細な文献検討や厳格な方法論が必要となる。
学部生が実際の臨床場面で研究をすることは困難なことから、本演習では、1.精神分析に関する理解を深めるための文献を分担して購読すること、2.各々の関心に沿った過去の臨床研究論文や芸術論などの文献を検索し、読み、検討・整理して自らの関心を明確にしつつオリジナリティのある研究テーマ、リサーチクエスチョンを見出すこと、を目標とする。
1.に関しては来年度は未定である。後日連絡する
2.に関しては、先行研究を読むことの意義、文献検索の方法などを学んだ上で、個人あるいはグループごとにテーマを決めて実際に文献を検索し、読み、発表し、討論し、最後にまとめのレポートを提出していただく予定である。テーマは以下のようなものを考えている。
無意識、夢、ナルシシズム、アイデンティティ、攻撃性、抑うつや不安・強迫・ヒステリーなどの症状・病、パーソナリティ論、芸術・文化論、深層心理学、自我心理学、対象関係論、フロイト、メラニー・クライン、ウィニコット、ラカンなど。
批判的な視点からの取り組みや、リアリティーを持った主体的独創的な量的・質的研究への応用の取り組みなどは大いに歓迎したい。
自ら立てた研究計画に基づいて収集した情報やデータを分析し、考察し、文章化するという一連の流れを体験的に理解することで、情報やデータ収集の方法やデータ分析技能はもとより、科学的思考力、問題解決能力、文章表現力、コミュニケーション能力など総合基礎力を習得する。さらに、自ら仮説を立て、扱う構成概念を明確に定義できること、心理学的問いを解明するために具体的な研究方法を提起できること、データ分析結果を科学的に評価し、批判的に検討できること、データ分析結果とその考察を論理的にプレゼンテーションできること、問題・方法・結果・考察への分節化した実証研究レポートを執筆できること、心理学的課題に対し、自分の意見をもち主張できること、グループで協力して、心理学的課題に取り組むこと、立場が異なる他者がかかえる心理学的課題を受容できること、グローバルな視点から広く人類に共通する心理学的課題を指摘できること、自らの心理学の知識や技術を実社会の中で幅広く活用することができることをも目指している。
研究への積極的な参加、研究の創意工夫など、討論、研究への貢献を評価する。また年度末に研究成果をまとめてレポートとして提出することを求め、これを評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 文献などは、担当教員が選択したテーマ毎に随時指定する。 | ||
参考文献 |
授業時間は、主に研究計画や進捗状況、研究成果の検討に当てられる。研究の準備、実施、データ分析などの作業は、授業時間外に、学生諸君が自主的に行うことが求められる。
実際の実習は時間割上の授業時間だけで行えるものではなく、それ以外の時間にも時間を作って実習を行っていく必要があるので留意して欲しい。また、学内外での実験協力者あるいは調査協力者をつのることもあるが、その際には倫理的問題や社会的責任を忘れないで欲しい。
この科目を選んだ場合、(社)日本心理学会の「認定心理士(心理調査)」は取れません。
((社)日本心理学会の「認定心理士」、(財)日本臨床心理士資格認定協会の「臨床心理士」や、国家資格の「公認心理師」はこの科目とは関係ありません。)
回 | 授業内容 |
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第1回 | 講義の進め方についてのガイダンスを行う。それぞれが自らの持つリサーチクエスチョンを含めた自己紹介を行い、今後の分担を決める。 |
第2回 | 図書館を利用して、テーマを探したり文献を検索する方法を学ぶ。(第2回以降にずれ込むこともある。) |
第3回 | 教員の準備した文献を読み、ディスカッションを行う。 |
第4回 | 教員の準備した文献を読み、ディスカッションを行う。 |
第5回 | 教員の準備した文献を読み、ディスカッションを行う。 |
第6回 | リサーチ結果をプレゼンテーションし、全員でディスカッションを行う。1回、2、3人ずつ発表する予定である。 |
第7回 | リサーチ結果をプレゼンテーションし、全員でディスカッションを行う。1回、2、3人ずつ発表する予定である。 |
第8回 | リサーチ結果をプレゼンテーションし、全員でディスカッションを行う。1回、2、3人ずつ発表する予定である。 |
第9回 | リサーチ結果をプレゼンテーションし、全員でディスカッションを行う。1回、2、3人ずつ発表する予定である。 |
第10回 | リサーチ結果をプレゼンテーションし、全員でディスカッションを行う。1回、2、3人ずつ発表する予定である。 |
第11回 | リサーチ結果をプレゼンテーションし、全員でディスカッションを行う。1回、2、3人ずつ発表する予定である。 |
第12回 | リサーチ結果をプレゼンテーションし、全員でディスカッションを行う。1回、2、3人ずつ発表する予定である。 |
第13回 | リサーチ結果をプレゼンテーションし、全員でディスカッションを行う。1回、2、3人ずつ発表する予定である。 |
第14回 | リサーチ結果をプレゼンテーションし、全員でディスカッションを行う。1回、2、3人ずつ発表する予定である。 |
第15回 | リサーチ結果をプレゼンテーションし、全員でディスカッションを行う。1回、2、3人ずつ発表する予定である。 |