担当者 | 清水 正典教員紹介, 蛭間 栄介教員紹介, 加藤 基教員紹介, 佐保 泰明教員紹介, 川田 茂雄教員紹介, 佐野村 学教員紹介, 小川 佳子教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [医療技術学研究科 スポーツ健康科学専攻] | |
科目ナンバリング |
目まぐるしく変動する国際社会にあって、スポーツと健康の意義と役割は急速に高まってきており、それに伴いスポーツ健康科学もより実用的成果を出して社会に貢献することが求められている。本講義では我が国のスポーツと健康及びスポーツ健康科学の現状と課題を国際的視点で理解し、日本のスポーツ健康科学が果たすべき国際的使命と役割及び可能性について様々なスポーツ科学の視点から分析を行う。本講義の具体的構成としてはスポーツ科学分野ではアスリートサポートの方策やスポーツ傷害の疫学的理解とシステム構築の方法について世界的先進事例をもとに学びを深めるとともに、健康科学分野では疾病の疫学や診断基準、ガイドラインの国際比較について理解を深める。受講者はこのような学びを通してスポーツ健康科学が直面する様々な国際的課題について理解を深めるとともに、グローバルな視点でスポーツの様々な問題の本質を理解できる能力の獲得を目指す。なお、講義の中では随時英文資料を使用し、適宜英文レポートを課す。
①スポーツ健康科学の国際的視座を養う。
②国際社会におけるスポーツ科学に関する諸問題の現状と課題について理解する。
③国際社会における健康科学に関する諸問題の現状と課題について理解する。
④国際社会がスポーツ健康科学に求める様々な社会的役割について理解する。
学生は毎時間ごとにレポートを提出し、それをルーブリックに基づいて採点し、評価を行う。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | Asian Working Group for Sarcopenia:2019 Consensus Update on Sarcopenia Diagnosis and Treatment | Chen LK et al | JAMDA |
参考文献 | 新編 内部障害のリハビリテーション 第2版 | 上月正博 編 | 医歯薬出版 |
参考文献 | アスレティックトレーニング学 | 広瀬統一ほか | 文光堂 |
①関連文献、参考書を事前に抄読し、疑問点などをまとめておくこと
②毎時間ごとに質問事項を準備し、担当教師に質問できるようにすること
③世界的なスポーツや健康問題に関する情報を収集し、講義内で議論できるよう準備すること
①積極的に質問するなど主体的に授業に参加すること
②随時学生のプレゼンテーションを要求することがある
回 | 授業内容 |
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第1回 | 現代社会とスポーツ健康科学 スポーツ健康科学の世界的動向と現状及び課題について学習し、スポーツ健康科学が総合科学であること及び国際社会から様々な役割を期待されていることを理解する。 |
第2回 | アスリートサポート体制の国際比較 各国で盛んなスポーツが異なり、また、経済的、文化的な背景の影響を受けてアスリートのサポート体制も異なっている。主要国のアスリートサポート体制の歴史的背景と我が国の体制の差異について理解する。 |
第3回 | アスレティックトレーナー及び類似業種の業務の国際比較 各国のアスレティックトレーナー事情やその類似業種の存在を概説し、それぞれが果たす役割の比較を行う。 |
第4回 | スポーツ傷害発生状況の国際比較① スポーツ傷害の発生状況の把握は、障害予防策を講じるための最初のステップで実施されるものである。統計の実施方法はいくつかの方法が存在し、主に北米と欧州・オセアニアで分かれているが、国内の方法を含めてそれぞれの特徴について理解する。 |
第5回 | スポーツ傷害発生状況の国際比較② 各国で盛んなスポーツが異なるほか、同じスポーツであっても発生状況が異なる場合がある。国別、スポーツ別のスポーツ傷害発生状況とその背景となる事情について理解する。 |
第6回 | スポーツ傷害への対応の国際的変遷 スポーツ傷害への対応は、スポーツの進歩や人口拡大、医科学の進歩によって変化してきた。ここでは我が国での変遷を基準として、諸外国から受けた影響や、諸外国に与えた影響とその背景について理解する。 |
第7回 | 救急処置の国際比較 スポーツ活動時の障害発生や緊急を要する事故発生時における迅速な救急処置は、アスレティックトレーナーの重要な役割である。救急処置に関する国内及び海外のガイドラインを中心に理解する。 |
第8回 | 死因の国際比較 死因の順位は各国で異なるが、その文化的、遺伝的背景を理解する。 |
第9回 | 健康科学分野のガイドラインの国際比較 さまざまな疾患や運動処方などのガイドラインは地域や人種によって基準となる数値が異なる場合や同一のものを採用している場合もある。その背景となる文化的、遺伝的違いを中心に理解する。 |
第10回 | 肥満の診断基準の国際比較 世界保健機関と日本の肥満の診断基準は異なるが、その違いの背景について理解する。 |
第11回 | メタボリックシンドローム診断の国際比較 メタボリックシンドロームの診断基準の一部については各国で異なるが、その背景について理解する。 |
第12回 | サルコペニア診断の国際比較 欧米とアジアではサルコペニア診断の基準は異なるが、その背景について理解する。 |
第13回 | がんの国際比較 がんの発生頻度は、がんの種類で見ると世界の地域によって大きく異なるが、その背景について理解する。 |
第14回 | 運動処方の国際ガイドライン 我が国で用いられている運動処方のガイドラインは世界保健機関、アメリカスポーツ医学会が公表しているものを採用している。これらのガイドラインをわが国で採用する妥当性を、ガイドライン作成のもととなった研究から探り理解する。 |
第15回 | 現代社会におけるスポーツ健康科学の社会的役割 現代社会とりわけ国際社会からスポーツに対して求められている社会的要請について講義し、スポーツ健康科学が国際社会に対して果たすべき役割について学生同士の議論を通じて理解する。 |