授業の概要（ねらい）

　2022年度後期の授業は、オーストラリア作家Markus Zusak の 人気YA小説『やさしい本泥棒』(The Book Thief 2005)を取り上げて、民族、ジェンダー、家族、友情、正義などの視点から考察を試みる。さらに、『華氏451』(Fahrenheit 451)などアメリカ文学の名作と比較し、両作品に描かれた監視社会、焚書による言論統制と、それに対する人々の抵抗を分析する。また、言葉や文学が持つ力を強く訴えるこれらの作品をSNS時代に読む意義について、学生と一緒に探っていく。授業は学生の主体的な学びを中心に行われ、リサーチ・グループワーク・発表・質疑応答など一連のプロセスを通して、社会に出てからも必要な英語力、プレゼン力、自主性と論理的思考力を習得できるように指導していく。

授業の到達目標

1. 豊かな感性を養い、英語圏の文化と文学へのアプローチ方法を習得することができる。
2. 英語圏の文化・歴史・社会に関する知識を学習し、国際社会が抱える諸問題を理解する。
3. 情報収集、文献読解、要約、構成とプレゼンなど大学生に必要なアカデミック・スキルズを習得することができる。
4. 英語で平易な原書、参考資料を読み、また一部の発表を英語で行うことによって、専門分野のトピックを英語で簡単に説明することができる。

成績評価の方法および基準

授業への貢献度・口頭発表・出席・提出物による総合評価。
授業への貢献度(ディスカッションでの発言、他人の発表に対するレスポンスなど)20%; 口頭発表 40%; 提出物 40%
(学生の学習状況に応じて変更する可能性がある)

教科書・参考文献

準備学修の内容

授業内で扱う映画、英文原作、参考資料を予習し、疑問点を必ず書き留め、授業中質問できるようにしておくこと。グループと個人発表を1回ずつ行い、発表後にReflective Essay、また学期末に発表内容に基づき、短いゼミ論文(short research paper) を提出する予定。発表前日までに、配布資料、 PowerPoint Slidesを各自でしっかり準備して発表に臨みましょう。

その他履修上の注意事項

以下２点に注意して下さい。
1. 授業では、ほかの受講生のプレゼンテーションに対して、コメントやフィードバックを提出する予定なので、自分の発表でない時でも、事前に発表で使う映画や原書を予習して、準備しておくこと。
2. 自分の趣味、先入観、またこれまで勉強してきたことに縛られず、多様な価値観や考え方の存在を理解できる柔軟な発想を持ちましょう。

授業内容