家族史Ⅰ
担当者宮川 麻紀教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-241

授業の概要(ねらい)

本講義は、家族史Ⅱと対になり、日本における「家」の成立の歴史を学ぶものである。時代としては、原始・古代を対象とする。父母と子という現代に多くみられる核家族は、必ずしも日本の歴史上、自明のものではなかった。「家」と呼ばれる単位や、「男子(長男)が家を継ぐ」といったあり方は、どのように形成されていくのかみていく。現代の家族のあり方は必ずしも自明のものでなく、各時代の家族構成や人間関係はその時代特有の価値観や風潮と結びつきながら、政治や文化に大きな影響を与えていたことを学んでもらいたい。

授業の到達目標

①各時代の家族のあり方について理解する。
②家族のあり方が政治や文化にどのような影響を与えたか考察できるようになる。
③現代の家族のあり方や価値観が自明のものでないことを理解できるようになる。

成績評価の方法および基準

中間テスト 40%、期末テスト 60%
ただし、出席回数不足や授業態度も考慮するので、注意すること。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『家族と結婚の歴史』関口裕子ら森話社
参考文献『日本家族史論集』全13巻吉川弘文館

準備学修の内容

・プリントをよく復習し、重要語句の意味や時代による変化をおさえる。
・分からない部分や欠席した部分は、参考文献を読んで理解しておくこと。
・中間テストの内容の一部は期末テストにも含まれるので、よく復習すること。

その他履修上の注意事項

出席回数が足りていても、テストの点が悪ければ単位修得できない場合がある。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
・家族史の概説
・授業内容と評価方法の説明
第2回講義 縄文時代の家族
・集落の形成とライフスタイル
第3回講義 弥生時代の家族[オンライン]
・遺跡と「魏志倭人伝」から分かる家族
第4回講義 古墳時代の家族
・古墳に葬られる家族の検討
第5回講義 氏姓制度と古代氏族
・氏とカバネの成立
第6回講義 古代の戸籍
・飛鳥~奈良時代の戸籍から分かる家族のあり方
第7回中間テストと解説
講義 古代の家族
・様々な史料から分かる血縁紐帯
第8回講義 古代の恋愛と結婚
・古代の結婚とその儀式
第9回講義 平安時代の結婚と家族
・正妻と次妻以下の区別
第10回講義 男女の分業
古代における男女それぞれの労働とジェンダーのあり方
第11回講義 女性の労働と「家」
・女性特有の労働と女性リーダー
第12回講義 「家」概念の変容
・律令制の「家」と日本的「家」
第13回講義 「家」の経営
・中世的な「家」へ
第14回講義 「家」が継承するもの
・貴族の「家」が継承するもの
第15回期末テスト 第2〜14回の内容のテスト
講義 子ども概念の変化
・古代における子どもの概念や髪型などの変化