人類学Ⅱ
担当者渡部 瑞希教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングANT-102

授業の概要(ねらい)

 本講義では、現代社会で議論の的となった/なっている異文化摩擦や意見の相違に関する事例を複数とりあげる。主として争点となるのは、伝統と近代の衝突や、異文化間の価値観の相違、立場の異なる者同士の意見の対立である。事例としてとりあげるのは、日本をはじめ、欧米圏、南アジア、中央アジアの国々で実際に起きた社会問題である。遠い国や地域で起きた問題であるため、共感しにくい面もあるが、履修生はそうした社会問題の当事者の立場にたち、グループディスカッションやディベートを通じて意見を述べることが求められる。日本や世界で起きた異文化衝突や社会問題を、自身の経験と照らし合わせながら理解し、自分なりの意見をもてるようになることも本講義の目的である。

授業の到達目標

・自己の考え方・視点を絶対視することなく、常に物事を客観的に見る視野を養う
・文化の多様性について自分なりの意見をもてるようになる
・他者の立場になったつもりで、考え意見を述べることができる

成績評価の方法および基準

・学期末のレポート提出(30%)と、発表やグループワークにおける受講態度(70%)
・英語能力や日本語能力といった語学力による成績評価ではなく、自身の今ある語学力で積極的に意見を述べようとする姿勢を高く評価する
・5回以上の欠席は単位を認めない

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献

準備学修の内容

・各トピックごとにグループディスカッションを行うため、参加型の講義であることを理解している必要がある
・グループワークで話し合った結果をディスカッションの回で議論し、発表するため、積極的に発言することが求められる
・グループでプレゼンテーションをする授業も数回予定している
・英語での講義であるため、ある程度のリスニング、ヒアリング能力が求められる

その他履修上の注意事項

・本講義は英語で行うものとする。ただし、履修者の語学能力を考慮し英語レベルを変えるほか、日本語の補足説明が加わることもある
・英語を聞く、話すことに積極的な姿勢が求められる
・本講義では、映像資料を多く用いる。映像資料の多くは日本語であるが、解説は英語で行う
・オンライン授業日は第14回講義とする

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
講義の説明、注意事項、成績評価方法、学生と教員の自己紹介
第2回英語コミュニケーション法
本講義で必要な英語でコミュニケーションをとる方法を学習する
第3回食と文化
文化によって異なる食べ物、食べ方や作法について学習する
第4回ホームワークディスカッション
履修者の国のお弁当(ランチ)や夕食(ディナー)の理想的なあり方を発表する
第5回伝統保持か人権保護か?
人権に触発する伝統は保持すべきか?破棄すべきか?第三の道はあるのか?―日本の相撲における女人禁制から考える
第6回ホームワークディベート
ネパールの女神であるクマリは、初潮前の幼い人間の少女を神として崇める風習である。クマリは保持すべき伝統か?破棄すべき伝統か?
第7回文化保存か解体か?
東日本大震災の歴史遺産は残すべきか?破棄すべきか?
第8回ホームワークディスカッション
広島原爆ドーム、アウシュビッツビルケナウなど、世界にある歴史遺産が残される理由はなにか?
第9回幸福か開発か?
一昔前に幸福の国と知られたブータン。経済発展の裏側で幸福度が下がっている。幸福であるために開発は弊害なのか?
第10回ホームワークディスカッション
世界幸福度ランキング1位のフィンランドとブータンを比較して、幸福であるとは何かについて議論する
第11回一夫一婦制か一夫多妻制か?
一夫一婦制は本当に万能なのか?一夫多妻との比較から考え、議論する
第12回母系制社会か父系制社会か?
母系社会の結婚制度にどんなメリットがあり、どんなデメリットがあるのか?
第13回セクシュアル・マイノリティーの理解
LGBTQ、アセクシャル、ポリアモリー、Xジェンダーとの関わり方について議論する
第14回レポートテーマについて
オンライン授業
第15回ホームワーク・ディスカッション
インドのXジェンダー、ヒジュラになったつもりで、自身の中の男らしさ、女らしさについて発表する