担当者 | 清水 雅大教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [総合基礎科目] | |
科目ナンバリング | ARS-103 |
現在、グローバル化のさらなる進展のなかで、ヨーロッパ諸国において偏狭なナショナリズム、自文化中心主義や排外主義が広がりを見せている。このような状況において現代ヨーロッパを多角的に理解するために、「現在」とのつながりのなかで差別と迫害の歴史を見直すことが重要である。そこで授業では、ナチ・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人虐殺)の歴史、そして戦後における「過去の克服」の過程について学び、現代ヨーロッパ社会の歴史的背景を考える(目的①)。さらに、ヨーロッパ現代史をたんに知識として知るだけでなく、移民問題や右傾化現象など、EU諸国がまさに現在直面している諸問題を、歴史的な視座をもって考える姿勢を身につける(目的②)。
1.第二次世界大戦・ホロコーストの歴史を、確かな科学的知見に基づいて、具体的に説明することができる。
2.現在、EU諸国が抱えている分断と排外主義の問題を、歴史的なパースペクティヴのなかで考えることができる。
期末試験or レポート(受講者数による):60% 小課題等:40%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | なし | ||
参考文献 | 資料を見て考えるホロコーストの歴史 | ヴァンゼー会議記念館編 | 春風社、2015年 |
参考文献 | ホロコースト | 芝健介 | 中公新書、2008年 |
・高校世界史の20世紀史を復習しておくこと。
・授業中の迷惑行為(私語、飲食、携帯電話、遅刻・途中退室など)は厳禁です(守られない場合には受講を認めない)。
・積極的・主体的な授業参加を求めます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 〈オリエンテーション〉 世界の情勢(ヨーロッパ)Ⅰで学ぶこと(概要、目的、方法)、テキスト、成績評価、受講上の注意について |
第2回 | 現代ヨーロッパにおける人種主義と排外主義①:映画『帰ってきたヒトラー』のリアル |
第3回 | 現代ヨーロッパにおける人種主義と排外主義②:AfD(ドイツのための選択肢)の躍進 |
第4回 | ナチスが台頭した政治的・経済的・社会的な諸条件:ヴェルサイユ体制下のドイツ |
第5回 | 独裁者ヒトラー①:人物像、イデオロギー、政治家になるまで |
第6回 | 独裁者ヒトラー②:「権力掌握」、外交政策、戦争指導まで |
第7回 | ホロコーストへの道①:ヨーロッパ・ドイツにおける反ユダヤ主義 |
第8回 | ホロコーストへの道②:ナチ体制の成立とユダヤ人の経済的・社会的排除 |
第9回 | ホロコーストへの道③:民族共同体 |
第10回 | ホロコーストへの道④:優生思想 |
第11回 | ホロコーストへの道⑤:戦争の勃発と東部地域でのジェノサイド |
第12回 | ホロコーストへの道⑥:独ソ戦の展開とユダヤ人絶滅政策 |
第13回 | 【オンライン】アウシュヴィッツ収容所①:収容所システム、支配と虐殺の構図 |
第14回 | アウシュヴィッツ収容所②:内部構造、看守と囚人の心理 |
第15回 | まとめと期末試験 |