社会科・公民科教育法Ⅰ
担当者増渕 達夫教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [現代ビジネス学科]
科目ナンバリングESS-203

授業の概要(ねらい)

 前期の「社会科・公民科教育法Ⅰ」及び後期の「社会科・公民科教育法Ⅱ」を通して、学習指導要領に示された中学校社会科、高等学校公民科の目標や内容等を理解し、具体的な授業場面を想定した学習指導案の作成等の知識・技能の基礎を習得するとともに、社会科・公民科の教員として必要な資質・能力を身に付けようとする態度を養うことをねらいとする。
 前期の「社会科・公民科教育法Ⅰ」においては、講義により学習指導要領の内容、学習指導案の基本的な構成、教科書の編集上の工夫などを理解するとともに、学習指導案の作成・検討により、指導目標を達成するための指導方法や教材・発問の工夫について考察する。また、指導内容に関連する新聞記事の要約・発表等を通して社会科・公民科教員として必要な知識を身に付ける。

授業の到達目標

(1)学習指導要領に示されている中学校社会科、高等学校公民科の目標、内容を理解する。
(2)教科書の特徴を具体的に理解し、授業等での教材の活用について考察する。
(3)指導内容に応じた教材の開発の重要性やICTの可能性を理解する。
(4)教科書や試験問題などから、育成すべき資質・能力について、具体的に考察する。
(5)学習指導案の構成について理解し、グループで協働して学習指導案を作成できる。
(6)社会科・公民科の指導の背景となる学問領域との関係を理解し、自ら課題を見つけ、学修行動の充実に反映できる。

成績評価の方法および基準

(1)毎回の授業で提示される課題への取組(思考力、表現力等)  25%
(2)授業での発言やグループ協議等への参加状況(意欲、態度等) 25%
(3)レポートや学習指導案の作成・提出・発表(知識の理解、思考力、表現力等)25%
(4)社会科・公民科の指導内容や教科書の内容に関する知識・理解等を確認するテスト(知識の理解)25%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書大学生のための中等社会科・地理歴史科・公民科概論田部俊充 他風間書房
教科書中学校学習指導要領(平成29年告示)文部科学省東山書房
教科書高等学校学習指導要領(平成30年告示)文部科学省東山書房
教科書中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編文部科学省東洋館出版社
教科書高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 公民編文部科学省東京書籍
教科書(中学校文部科学省検定済教科書)新しい社会 地理矢ケ﨑 典隆 他東京書籍
教科書(中学校検定済教科書)中学校社会科地図佐藤清 他帝国書院
教科書(中学校検定済教科書)新しい社会 歴史坂上 康俊 他東京書籍
教科書(中学校検定済教科書)新しい社会 公民谷口 将紀 他東京書籍
教科書(高等学校検定済教科書)公共間宮 陽介 他東京書籍
参考文献授業の進行に応じて随時指示する。
なお、「公共」については、高等学校で使用する資料集の使用を検討しているが、2022年度から新たに設置される科目であるため、内容を検討したうえで、後日指定する。

準備学修の内容

(1)受講者全員で分担して、指導内容に関連した新聞記事を要約し、レポートにまとめて毎時間の授業の冒頭で発表する。そのため、新聞を読む習慣を身に付けること。
(2)本講座では、学習指導要領、学習指導要領解説、教科書の活用方法も学ぶ。学習指導要領等「4 教科書・参考文献」で指定した書籍を購入し、授業に持参することはもとより、内容を読み込み、十分理解すること。
(3)中学校や高等学校で使用する教科書の記述内容を理解し、指導案として再構成し、授業化できるようにするためには、関係の基本的文献を読み込むことが不可欠である。授業中に指示した文献は確実に読み、教科書記述の理解に役立てること。

その他履修上の注意事項

6. その他履修上の注意事項
(1)30人を基準として、場合によっては抽選を行う。なお、学部の必修授業の関係で、履修の時限が限られている場合、担当教員に相談をすること。
(2)教職を志す学生としての自覚をもった学修への姿勢を強く求める。
  具体的には
  ○ 新型コロナウイルス感染拡大防止のための対応をはじめ、健康管理や安全確保には万全を期する。
  ○ 体調不良等、やむを得ない理由により欠席する場合は、事前に授業担当者連絡する。事前にできない場合は事後速やかに連絡する。
  ○ 提出物は期限内に確実に提出する。期限内に提出できないときには事前に理由を添えて申告する。
  ○ より良い授業にするために、授業中には積極的に発言するなど主体的に授業に臨む。
(3)社会科・公民科を学ぶ意義を生徒に伝えることができるよう、専門的な内容とともに幅広い教養を身に付けることに努める。
(4)本講座は、教科指導力の基盤の育成を目指している。教科指導力の向上は、教員が生涯を通して取り組むべき課題であることから、自らを律し、貪欲に学ぶ姿勢を厳しく求める。

授業内容

授業内容
第1回○ オリエンテーション(シラバスの確認、履修上の注意、グループ編成)
○ 学習指導要領及び解説の概観
○ 教科書の構成の概観
第2回○ 新聞記事の紹介と解説(以後、この内容は第15回授業まで毎回実施する)
○ 中学校及び高等学校学習指導要領における社会科・公民科の位置付け
第3回○ 教科書の編集上の特徴と授業等における活用
○ 資料集等教材の活用、開発
第4回○ 社会科・公民科の学習指導案の構成と作成上の留意事項
第5回(LMSによるオンライン授業)
○ 学習評価と試験問題の作成・分析
第6回○ 中学校社会科の目標、内容(1)地理的分野
 ・ 学習指導要領の理解
 ・ 教科書の工夫
 ・ 試験問題の分析
第7回○ 中学校社会科の目標、内容(2)歴史的分野
 ・ 学習指導要領の理解
 ・ 教科書の工夫
 ・ 試験問題の分析
第8回○ 中学校社会科の目標、内容(3)公民的分野
 ・ 学習指導要領の理解
 ・ 教科書の工夫
 ・ 試験問題の分析
第9回○ 中学校社会科の学習指導案の検討と改善(グループ別発表)
第10回○ 高等学校公民科の目標、科目の構成
第11回○ 「公共」の目標、内容
 ・ 学習指導要領の理解
 ・ 教科書の工夫
第12回○ 「公共」の大項目「A 公共の扉」
 ・ 学習指導要領の内容、内容の取扱い
 ・ 教科書の記述と授業への構想
第13回○ 「公共」の大項目「B 自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち」
 ・ 学習指導要領の内容、内容の取扱い
 ・ 教科書の記述と授業への構想
第14回○ 「公共」の大項目「C 持続可能な社会づくりの主体となる私たち」
 ・ 学習指導要領の内容、内容の取扱い
 ・ 教科書の記述と授業への構想
第15回○ 高等学校公民科の学習指導案の検討と改善(グループ別発表)