社会科・公民科教育法Ⅱ
担当者増渕 達夫教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [資格科目]
科目ナンバリングESS-306

授業の概要(ねらい)

 前期の「社会科・公民科教育法Ⅰ」及び後期の「社会科・公民科教育法Ⅱ」を通して、学習指導要領に示された中学校社会科、高等学校公民科の目標や内容等を理解し、具体的な授業場面を想定した学習指導案の作成等の知識・技能の基礎を習得するとともに、社会科・公民科の教員として必要な資質・能力を身に付けようとする態度を養うことをねらいとする。
 後期の「社会科・公民科教育法Ⅱ」においては、高等学校公民科について、各科目の目標、内容等を理解する。また、新科目「公共」の目標や内容及び教科書の編集上の工夫などを理解するとともに、学習指導案の作成・検討により、指導目標を達成するための指導方法や教材・発問等の工夫について考察する。また、指導内容に関連する新聞記事の要約・発表等を通して社会科・公民科 教員として必要な知識を身に付ける。

授業の到達目標

(1)前期に学修した内容を活用して、指示された単元及び一単位時間の学習指導案を作成できる。
(2)指導内容に関する教科書記述やその背景等を十分理解し、質問に対して的確に対応できる。
(3)指導目標を達成するためにICTの活用や教材、発問等を検討できる。
(4)学習評価の意義を理解し、観点別に評価規準を設定するとともに、適切な評価方法を指導案に反映できる。
(5)知識の習得だけにとどまることなく、思考力、判断力、表現力などを育成するための授業展開を考えるとともに、適切に評価するための方法等について考察することができる。
(6)社会科・公民科の指導の背景となる学問領域との関係を理解し、自ら課題を見つけ、学修行動の充実に反映できる。

成績評価の方法および基準

(1)毎回の授業で提示される課題への取組(思考力、表現力等)30%
(2)中間レポート(学ぶ意義の自覚、表現力等)30%
(3)公民科の教員として求められる知識・理解に関するテスト(知識の理解)30%
(4)新聞記事の発表、授業での発言や参加状況(意欲、態度等)10%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書大学生のための社会・地理歴史・公民科概論田部俊充 他風間書房
教科書中学校学習指導要領(平成29年告示)文部科学省東山書房
教科書高等学校学習指導要領(平成30年告示)文部科学省東山書房
教科書中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編文部科学省東洋館出版社
教科書高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 公民編文部科学省東京書籍
教科書(高等学校検定済教科書)公共間宮陽介 他東京書籍
教科書(高等学校検定済教科書)倫理竹内整一東京書籍
教科書(高等学校検定済教科書)政治・経済間宮陽介 他東京書籍
参考文献授業の進行に応じて随時指示する

準備学修の内容

(1)受講者全員で分担して、指導内容に関連した新聞記事を要約し、レポートにまとめて毎時間の授業の冒頭で発表する。そのため、新聞を読む習慣を身に付けること。
(2)本講座では、学習指導要領、学習指導要領解説、教科書の活用方法も学ぶ。学習指導要領等「4 教科書・参考文献」で指定した書籍を購入し、授業に持参することはもとより、内容を読み込み、十分理解すること。
(3)中学校や高等学校で使用する教科書の記述内容を理解し、指導案として再構成し、授業化できるようにするためには、関係の基本的文献を読み込むことが不可欠である。授業中に指示した文献は確実に読み、教科書記述の理解に役立てること。

その他履修上の注意事項

(1)30人を基準として、場合によっては抽選を行う。なお、学部の必修授業の関係で、履修の時限が限られている場合、担当教員に相談をすること。
(2)教職を志す学生としての自覚をもった学修への姿勢を強く求める。具体的には
  ○ 新型コロナウイルス感染拡大防止のための対応をはじめ、健康管理や安全確保には万全を期する。
  ○ 体調不良等、やむを得ない理由により欠席する場合は、事前に授業担当者連絡する。事前にできない場合は事後速やかに連絡する。
  ○ 提出物は期限内に確実に提出する。期限内に提出できないときには事前に理由を添えて申告する。
  ○ より良い授業にするために、授業中には積極的に発言するなど主体的に授業に臨む。
(3)社会科・公民科を学ぶ意義を生徒に伝えることができるよう、専門的な内容とともに幅広い教養を身に付けることに努める。
(4)本講座は、教科指導力の基盤の育成を目指している。教科指導力の向上は、教員が生涯を通して取り組むべき課題であることから、自らを律し、貪欲に学ぶ姿勢を厳しく求める。

授業内容

授業内容
第1回〇 オリエンテーション
  (シラバスの確認、履修上の注意、分担等)
〇 学習指導要領改訂の趣旨と高等学校公民科の目標、「公共」の目標、内容、内容の取扱い等(1)
第2回〇 新聞記事の紹介と解説(以後、この内容は毎回実施する)
〇 オリエンテーション
  (シラバスの確認、履修上の注意、分担等)
〇 学習指導要領改訂の趣旨と高等学校公民科の目標、「公共」の目標、内容、内容の取扱い等(2)
第3回〇 「公共」の大項目A「公共の扉」の内容(1)【講義】
〇 教科書記述の確認と、授業の準備(教科書第1章)【演習】
第4回〇 「公共」の大項目A「公共の扉」の内容(2)【講義】
〇 教科書記述の確認と、授業の準備(教科書第2章、第3章)【演習】
第5回〇 「公共」の大項目B「自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち」の内容(1)【講義】
〇 教科書記述の確認と、授業の準備(教科書第1章、第2章)【演習】
第6回〇 「公共」の大項目B「自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち」の内容(2)【講義】
〇 教科書記述の確認と、授業の準備(教科書第3章、第4章、第5章)【演習】
第7回〇 「公共」の大項目C「持続可能な社会づくりの主体と私たち」の内容【講義】
〇 教科書記述の確認と、授業の準備【演習】 
第8回〇 「倫理」の目標、内容、内容の取扱い等【講義】
第9回〇 「政治・経済」の目標、内容、内容の取扱い等【講義】
第10回〇 「公共」第1部「『公共』のとびら」指導案の検討(1)【演習】
第11回〇 「公共」第2部「自立した主体として社会に参画する私たち」指導案の検討(1)【演習】 
第12回〇 「公共」第2部「自立した主体として社会に参画する私たち」指導案の検討(2)【演習】
第13回〇 「公共」第3部「持続可能な社会づくりに参画するために」の指導について【演習】
第14回(LMSによるオンライン授業)
〇 公民科の教員として求められる知識・理解に関するテスト 
第15回〇 テストの解説及び基本的な教科指導力の習得に向けた課題【講義】