外国政治史Ⅱ
担当者原田 亜希子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングPOL-106

授業の概要(ねらい)

この授業では、中近世のヨーロッパにおける「政治」と「宗教」との関係について講義します。普遍的支配秩序のもとに統治されていた中世に対して、近世はルネサンスや宗教改革、絶対主義を経て、各地で「政治」と「宗教」との関係が大きく変化していくことになりました。この授業では中世から近世にかけての相違と連続性の双方の側面を考慮しつつも、前近代の国家や社会の統合原理を理解するうえで、「政治」と「宗教」との関係に目を向けることがいかに重要であるかを明らかにしていきます。

授業の到達目標

ヨーロッパの歴史の中で宗教が政治に与えた影響や、その経緯を理解することで、現代ヨーロッパ社会が抱える諸問題の背景について知識を深める
西洋社会の宗教的根底に触れることで、異文化理解や異文化コミュニケーションのための基礎的な認識や視野をみにつける

成績評価の方法および基準

中間レポート(40%)、期末テスト(60%)
なお、中間レポートに関しては後日授業内にて解説を行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書教科書は使用せず、授業の項目ごとにレジュメ・資料を配布し、随時参考文献を紹介します。
参考文献

準備学修の内容

毎回必ず前の講義時に配布したレジュメ・資料を確認して、各自で内容を整理してください。
授業で紹介する参考文献の該当箇所を読んでおいてください。

その他履修上の注意事項

事前に高校世界史Bの教科書や西洋史概説の基本文献を読み、同時代の全体的な流れを理解したうえで授業に臨んでください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス、授業の進め方や学修方法について
第2回キリスト教の発展と古代末期の世界
第3回フランク王国とローマ・カトリック世界
第4回神聖ローマ帝国:皇帝の戴冠
第5回中世社会の発展とキリスト教世界の成熟:叙任権闘争
第6回普遍的権威の確立と教皇権の絶頂 :「聖なる教皇」から「統治する教皇」へ
第7回アヴィニョン移転とシスマによる亀裂
第8回「かしらと四肢の改革」と公会議主義
第9回宗教改革とカトリック改革の動き
第10回補論:トレント公会議がもたらしたもの(LMSによるオンデマンド形式)
第11回主権国家の誕生と宗派化の動き
第12回失われた土地を埋めるものとして:世界宣教とヨーロッパの拡大
第13回三十年戦争とウェストファリア条約
第14回近代国家との対峙
第15回これまでの授業の総括と授業内テスト(論述式)