担当者 | 櫛原 功一教員紹介, 畑 大介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [文学研究科 日本史・文化財学専攻] | |
科目ナンバリング |
古代以降の歴史時代は文献史学を中心に歴史観が構築されてきたが、遺跡や遺物を対象とした考古学的手法の導入により、過去に生きた人々の実態としての社会や日常、暮らしを明らかにし、より豊かな社会像を描き出すことが可能となった。このようにして、ひとつの学問領域として確立されてきた歴史考古学の特質と基本的な枠組み、学際的な方法論や研究手法、理論を理解することが授業のねらいである。ここでは、主に古代~近世におけるさまざまなテーマを研究素材として、自ら史資料を扱い、考え、研究を行う能力を養う。また多様な史資料に目配りし、幅広い思考力を養えるよう努める。
歴史考古学研究には視野の広さや洞察力、さまざまな資史料を駆使した柔軟な能力が必要であることから、日頃からさまざまな関連文献に目を通し、情報量を蓄積することが必要である。そのため、個別の事象を例題として問題点や課題の把握、分析の手法などを学ぶなかで、歴史考古学の特性を理解し、方法論を習得する。
授業に臨む姿勢(50%)、レポート課題(50%)で評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 原則として、毎回、プリントを配布する。 | ||
参考文献 | 『戦国期城郭と考古学』 | 萩原三雄 | 岩田書院 |
配布されたテキスト、プリントによる復習等を十分に行うこと。また、歴史考古学に関する書籍等にできる限り目を通すことが重要である。
平素から、考古学全般、特に中世史に関する学習を心がけること。後期の歴史考古学演習もあわせて履修することが望ましい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス 歴史考古学とは何か、授業の概要説明。歴史考古学の意義とその特性、歴史考古学の学史等について学ぶ。 |
第2回 | 歴史考古学と文献史学等とのかかわり、学際的研究方法について、八田家家財目録を例に取り上げる。 |
第3回 | 中世城郭の考古学的研究 考古学と縄張研究、城郭研究について学ぶ。 |
第4回 | 鉱山考古学 鉱山研究の学史と研究の現状と課題について学ぶ。(オンライン) |
第5回 | 信仰のかたち① 泥塔供養の実態を探る。 |
第6回 | 信仰のかたち② 六十六部回国納経の展開について学ぶ。 |
第7回 | 信仰のかたち③ 馬頭観音の歴史資料性について学ぶ。 |
第8回 | 治水と考古学① 信玄堤研究の現状と課題について学ぶ。 |
第9回 | 治水と考古学② 治水技術の研究法について学ぶ。 |
第10回 | 古代寺院と瓦① 寺院の構造と建築について学ぶ。 |
第11回 | 古代寺院と瓦② 瓦と窯について学ぶ。瓦の文様変遷、生産体制や流通、窯の構造について理解する。 |
第12回 | 山の考古学① 山と仏教寺院との関わりについて学ぶ。 |
第13回 | 山の考古学② 経塚の出現とその構造、立地、埋経行為の変遷と変質について学ぶ。 |
第14回 | 官衙と条里研究 国府や国衙、郡衙の形成や変遷、条里成立とその変容、歴史的景観の形成について学ぶ。 |
第15回 | まとめ。 |