美術史・文化遺産特殊講義3B-Ⅱ
担当者山田 大樹
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングCAS-202

授業の概要(ねらい)

本授業では、被災文化財建造物を扱います。文化遺産を毀損滅失に強く影響する災害に特に着目し、その被災した文化遺産がどのように扱われ、本授業を通して、世界の情勢や社会の価値観の変化によって、文化遺産の保護概念が今日に至るまでにどのように変わってきたのかを理解できるようになることが本授業のねらいです、また、文化遺産保護の取り組み、被災文化遺産の修復や復元の課題について学びます。さらに、実際の現場で被災文化遺産建造物の修復・復元に携わっている専門家から講義をしてもらうことで理解を深めます。

授業の到達目標

・建造物の修復・復元に関する国際的な規範についての概要を説明できるようになること
・被災文化遺産の修復復元の課題を、具体例をもって、自分の言葉で説明できるようになること

成績評価の方法および基準

 レポート課題60%、リアクションペーパー・確認テスト40%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献高橋暁世界遺産を平和の砦に―武力紛争から文化を守るハーグ条約すずさわ書店、2010年
参考文献文化財の紹介文化庁https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/
参考文献イスラームと文化財野口淳・安倍雅史編新泉社、2015年

準備学修の内容

 授業での中で、参考となる資料や準備学修に必要な文献を指示します。

その他履修上の注意事項

 授業では、実際の事例を通して保護制度が機能しているのかを説明するため、制度自体の説明については本授業では説明を最低限にとどめます。講義の前に、題材とする制度について指定する参考文献を一読してください。

授業内容

授業内容
第1回特別講義[牧野先生代講]
第2回オリエンテーション(被災文化遺産とは?)
第3回文化遺産の保護理念および制度の発展
第4回文化遺産と震災1(東日本大震災で被災した文化遺産の修復・再生)[外部講師による講義]
第5回建造物の修復と復元に関する国際憲章[オンライン授業]
第6回被災文化遺産への国際協力(ネパール・カトマンズ盆地・建造物修復)
第7回文化遺産とコロナ禍1(文化遺産への影響)
第8回文化遺産とコロナ禍2[ディスカッション](コロナ禍は社会と文化遺産との関係をどのように変えたのか)
第9回文化遺産とコロナ禍3(社会と文化遺産との関係性)
第10回文化遺産と戦災(戦時下の文化遺産の保護)
第11回文化遺産とバンダリズム(アフガニスタン・バーミヤーン)
第12回文化遺産の復元[ディベート](バーミヤーン大仏の復元問題)
第13回文化遺産と気候変動(ベトナム・フエ・嘉隆帝廟)
第14回文化遺産と火災(沖縄・首里城)
第15回講義の振り返り、まとめ