航空宇宙固体物性
担当者橋本 敬三教員紹介
学年・開講期2年次 前期  [理工学部 航空宇宙工学科]
科目の種類専門
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー2D204

授業の概要(ねらい)

20世紀初頭、それまでのニュートン力学を越えて量子論と相対性理論が相次いで誕生し、現代物理学が発展してきました。アインシュタインはこの二つの理論の確立に大きな役割を果しましたが、最後まで量子論を信じていなかったといわれています。量子論をもとに原子の構造を解明し、発展してきたのが固体物性物理です。近年急速な進歩を遂げている半導体分野、ナノテクノロジー分野において固体物性は根幹となる学問です。講義ではシュレディンガー波動方程式の導出と水素原子の場合の解を導きます。さらに、固体の構造(結晶系)とX線による回折現象と結晶構造解析の基礎について学びます。発展として格子振動、電子論、バンド理論をより深く学習してゆくと、現代社会を支えている半導体材料の原理を固体物理の立場から理解できるようになります。この授業は主に講義形式ですが、量子力学の不思議な現象についてグループで議論をします。この授業ではDP1、DP2に関する知識、技法を修得します。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業において物性研究の業務に携わっており、授業では、企業における実例や実体験、現場での課題などを題材とした議論等を行います。

授業の到達目標

航空宇宙固体物性の基礎となる量子力学、結晶構造、X線による回折現象を中心に講義をすすめ、ミクロな世界の構造とそこで起きている現象を理解します。シュレディンガー波動方程式はすべての出発点なのでその導出と解法を説明できるようになります。量子力学が誕生した歴史的な背景を理解し、量子数で書き表される原子の電子構造を明らかにします。さらにX線回折の原理について学び、原子の集合体である結晶について、結晶構造から物性を説明できるようになることを目標とします。

成績評価の方法および基準

課題レポート(20%)と試験の成績(80%)によって評価します。課題レポートはLMSで提出し、採点します。課題レポートの解説をLMSにアップします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 
参考文献工学基礎 物性物理学藤原毅夫数理工学社 ISBN-13: 978-4901683654
参考文献「量子論」を楽しむ本佐藤勝彦監修PHP文庫 ISBN4-569-57390-8

準備学修の内容

LMSに授業ノートと関連する資料を順次公開していきます。『予習』は授業に出てくる科学用語や関連する事柄を詳しく調べる(1時間)。『復習』は授業ノートを整理し、毎回LMSに出題される確認テストを行ってください(1.5時間)。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回量子力学の誕生前: 物理学の歴史(コペルニクス、ケプラー、ガリレオからニュートンへ)
第2回量子力学の誕生1: プランクによる量子の概念、ド・ブロイの物質波について
第3回量子力学の誕生2: ボーアの水素原子モデルについて
第4回原子と電子状態1: シュレディンガー波動方程式の導出
第5回原子と電子状態2: シュレディンガー波動方程式とハイゼンベルグの不確定性原理について(課題についてグループ討議)
第6回水素原子の電子状態1: 波動方程式を解いて得られる解について
第7回水素原子の電子状態2: 4つの量子数について(課題についてグループ討議)
第8回1次元格子モデルと自由電子モデル: シュレディンガー波動方程式の応用
第9回原子によるX線の散乱: 原子散乱因子について
第10回対称性から結晶系へ: 原子の集合、ブラベー格子と単位胞、ミラー指数について
第11回結晶からのX線回折1: ブラッグの回折条件について
第12回結晶からのX線回折2: 波動による回折現象の記述
第13回結晶の構造因子1: 逆格子による回折現象の記述、ラウエの回折条件について
第14回結晶の構造因子2: 面心立方格子、体心立方格子、NaCl構造の構造因子の計算とX線回折パターン
第15回テスト、まとめ