博物館学2
担当者篠﨑 茂雄
学年・開講期2年次 前期  [経済学部 地域経済学科]
科目の種類総合基礎
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー0E232

授業の概要(ねらい)

「市民に開かれた博物館」の実現を目指すために必要な、博物館経営の基礎を学びます。具体的には、管理と運営、マーケティング、評価、情報発信、地域創造など、博物館を運営していく上で重要なテーマを学習し、博物館を経営するための技術・知識を講義します。この授業では、実際に各地の博物館を見学した際に自力で各館の調査・研究・普及活動の評価が可能となるレベルを目指します。
授業は講義を中心としながらも、演習を取り入れ、さらにディスカッションの場を設けることで、博物館への理解を深めます。総合基礎科目の学修目標2,3に関連します。

授業の到達目標

博物館学2では博物館経営論を学びます。現在の博物館は、市民との協働や連携、さらには指定管理者制度の導入など、さまざまな課題に直面しています。こうした状況の中で、今後、地域の核となるべき「市民に開かれた博物館」を経営していくためには、何に留意すべきかを分析します。また、学芸員資格の取得とあわせ、良識ある市民として博物館の事業に積極的に参画するための知識を習得します。

成績評価の方法および基準

毎回出席カードを提出してもらい、2/3以上の出席に満たない学生の定期試験は認めません。成績は、授業中に実施する演習と6月末頃に実施する博物館見学のレポートを加味し、別途設ける定期試験期間中の試験により評価します。
定期試験50%、課題・演習30%、博物館見学レポート20%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書講義ではプリントやパワーポイントを使用しますので、各自がテキストを購入する必要はありません。
ただし学芸員を目指すためには、以下の参考文献の一読を勧めます。
参考文献博物館経営論佐々木亨放送大学教育振興会 ISBN:978-4-595-31413-1
参考文献新時代の博物館学全国大学博物館学講座協議会西日本部会編芙蓉書房出版 ISBN:978-4-8295-0551-9

準備学修の内容

1館でも多く、博物館施設等を見学することを求めます。
博物館に関するニュースに目を通し、また博物館が開設するホームページ等を見た上で授業に臨んでください。

その他履修上の注意事項

博物館学芸員資格必修。博物館学1で履修した内容が理解されていることを前提に授業を進めます。

授業内容

授業内容
第1回博物館経営とは何か(導入):博物館経営とは何を意味し、いかなる手法で行われるのか。
第2回博物館の施設と設備:博物館に不可欠な施設と設備。
第3回博物館の組織:博物館の組織の在り方と、行政組織における学芸員の位置。
第4回学芸員の業務:学芸員の役割。
第5回博物館の行財政と予算:博物館と行政制度、財政制度。
第6回博物館におけるマーケティング -必要性と具体的方法-:多様化する市民の要望を、いかに博物館業務に反映させていくか。
第7回博物館のサービス-ミュージアムショップ・レストラン-:博物館利用者への具体的なサービス事例。
第8回博物館における危機管理:災害時における具体的な対応。
第9回博物館と管理運営の方法:指定管理者制度など。
第10回博物館における評価とマネジメント:外部評価の在り方と業務への反映。
第11回海外の博物館経営:アメリカとイギリスの博物館経営。
第12回博物館見学:栃木県立博物館を例として。
第13回博物館見学(第12回と連続して行います)
第14回これからの博物館:市民との協働と地域資源を活用した博物館活動。
第15回全体のまとめ:利用者の視点に立った博物館経営。