担当者 | 中宮 賢樹 | |
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学年・開講期 | 2年次 後期 [総合理工学専攻 博士前期課程(修士課程)] | |
科目の種類 | 専門 | |
区分・単位 | 選択 2単位 | |
科目ナンバー |
制御工学は産業革命以来、機械設備の自動化を目的として発展し、20世紀に入ってからは電気通信分野の発展にも大きく貢献しました。1960年頃には1入力1出力系を対象とした古典的制御技術が完成し、その後、多入力多出力系に適用可能で厳密な数学的理論に基づいた状態フィードバック制御理論が発展しました。現在,社会の各分野における制御技術の必要性は年々高まっており、制御技術をより深く理解して応用することは、技術者にとって重要性を増しつつあります。
この授業のねらいは、高度な制御技術の基礎を理解して今後のさらなる発展に対応できるとともに、実システムでの問題解決ができるようにすることです。また、数値計算用のソフトウェア「MATLAB」を使用したコンピュータ実習も行います。
この授業では、理工学研究科の学位授与の方針DP1に関する知識,技法,態度を習得します。
PID(比例+積分+微分)制御などの古典的な制御技術について理解し、PID制御系の設計・調整ができる。
1960年以降に発展した状態フィードバック制御理論の概念と、その中の代表的手法である極配置制御と最適制御について理解し、制御系設計・調整ができる。
成績評価は、課題の答案内容(20%)、中間試験(40%)、期末試験(40%)の結果で判定します。
課題の解答は後の授業で説明するので、正解できなかった場合は、できなかった理由を必ず把握してください.
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特になし。 講義で資料等を配布する。 | ||
参考文献 | MATLAB/Simulinkによるわかりやすい制御工学 | 川田 昌克 | 森北出版 ISBN 978-4627917217 |
参考文献 | はじめての制御工学 改訂第2版 | 佐藤 和也,平元 和彦,平田研二 | 講談社 ISBN-13: 978-4065137475 |
参考文献 | MATLAB/Simulinkによる現代制御入門 | 川田 昌克 | 森北出版 ISBN-13 : 978-4627920415 |
参考文献 | はじめての現代制御理論 | 佐藤和也、下本陽一、熊澤良典 | 講談社 ISBN-13 : 978-4061565081 |
参考文献 | 制御工学の考え方 | 木村 英紀 | 講談社ブルーバックス ISBN-13: 978-4062573962 |
本大学の学部での制御関連の授業は古典的制御技術が中心であり、この授業はその発展です。この授業の受講には、古典的制御技術の基礎と、複素数・微積分・微分方程式・線形代数(行列とベクトル)の基本を身につけていることが必要です。
授業では適宜,復習に役立つ課題を出すので、その答案を必ず提出するとともに,授業で学んだ内容は必ず復習してください。(1時間以上) また、次回の授業予定を知らせるので、次回までに教科書等の該当部分に目を通し、わからない語句はできるだけ調べて授業に臨んでください。(1時間程度)
当該期間に30時間以上が、上記の予復習、問題解答、レポート作成に必要です.
おもに黒板による講義形式で進め、コンピュータ実習も取り入れます。授業中に小問題を出すこともあります。
回 | 授業内容 |
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第1回 | システム制御入門:システム制御とは,フィードバックとは, 古典制御と現代制御,制御技術者の心構え |
第2回 | 制御工学の基礎(1) 微分方程式とラプラス変換・逆変換 |
第3回 | 制御工学の基礎(2) 伝達関数,制御系ブロック線図, |
第4回 | システムの時間応答・安定性 |
第5回 | PID制御 |
第6回 | 状態方程式(1) 状態空間,伝達関数と状態方程式,システムの状態方程式表現 |
第7回 | 状態方程式(2) 特性方程式と安定性,可制御性と可観測性 |
第8回 | 中間試験と解説 |
第9回 | 極配置制御 |
第10回 | 状態オブザーバ |
第11回 | 最適レギュレータ |
第12回 | 最適サーボ,オブザーバを用いた最適制御 |
第13回 | 最適レギュレータへの最適サーボ系の組み込み |
第14回 | MATLABによるコンピュータ実習 |
第15回 | 総合まとめ |