地理学Ⅰ
担当者小金澤 孝昭
学年・開講期1年次 前期  [総合基礎科目]
科目の種類総合基礎
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー0G111

授業の概要(ねらい)

「戦後日本経済の地理」
現代日本の地域システム(地域的特徴)が、どのように形成されてきたのかを明らかにしていきます。戦後の日本経済と地域システムの時期区分としては。①1945年から1955年の戦後復興期~傾斜生産方式・エネルギー革命、電源開発②1956年から1973年までの高度経済成長期、太平洋ベルト地帯③1974年から1991年までの安定成長期、地方の工業化・東京一極集中④1992年~2001年のバブル崩壊期東京一極集中と産業空洞化⑤2002年以降の低成長期、少子高齢化、東日本大震災、地方消滅、地方創生というように展開してきた。こうした変化の原因と問題点を整理し、日本経済の地理が絶えず変化していることを理解します。

授業の到達目標

現代,私たちが直面している「持続不可能な課題」の中で、最重要テーマである少子高齢化社会、グローバル化社会での問題解決を理解していくことが到達目標です。とくに少子高齢化社会や人口減少といった問題を一般的に理解するのではなく、どこで起きているのかといった地理的課題としてとらえ、その原因と対策を考える力を育むことを重要視しています。この講義は、経済社会の地理的展開と戦後経済史の両面を学ぶことが出来ます。授業では、分析道具として地図読解、主題図の作成、地域統計の作成と分析などの活用を重視します。また、視聴覚教材や論文資料についての議論やプレゼンテーションを通じて課題解決型学習を行います。この講義で扱う内容や、就職試験の一般常識や社会事情でもよく出題されるものですので、講義内容をしっかり身につけてください。

成績評価の方法および基準

2回のレポートで30%、各時間で行うワークシートや作業課題で30%、到達度試験で40%で評価する。講義への出席回数が、全体授業回数の3分の2以上であることが、到達度試験の受験資格となります。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキスト もう一度読む 山川『戦後日本現代史』山川出版社1,500円(税別)
講義時に配布する『資料集」
参考書  中村政則『戦後史』岩波新書
参考文献『平成時代』吉見俊哉岩波書店・岩波新書
参考文献増田寛也地方消滅中公新書

準備学修の内容

新聞を読む習慣をつけてください。必要に応じて新聞スクラップの宿題を課します。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス:経済地理学の課題:経済地理を動かす基本的要素①産業構造の変化
②産業立地③地域政策
第2回①戦後日本の経済の時期区分と地域政策:統計作業と時期区分~GDP
第3回②戦前の日本経済と国土利用の確認:米と繭の経済と戦争~植民地
第4回③戦後日本経済の変化をイメージする。VTR学習(1945~1964)
第5回④戦後復興期の産業構造の変化(1945~1955):経済改革・
傾斜生産方式・ドッジライン
第6回⑤戦後復興期の国土利用の変化(1945~1955):エネルギー革命、多目的ダム開発
第7回⑥高度経済成長期の産業構造(1955~1971):設備投資と個人消費(3種の神器)
第8回⑦高度経済成長の国土利用(1955~1971):太平洋ベルト地帯、公害、過疎・過密問題
第9回⑧安定成長期の産業構造(1971~1991):ドルショック・オイルショック
~産業構造の再編成:重厚長大型から軽薄短小型へ
第10回⑨安定成長期の国土利用(1971~1991):工場の地方分散政策、OAと労働力の活用 東京 一極集中政策
第11回⑩低成長期の産業構造(1991~2000):バブル崩壊産業構造の再編が困難。IT産業、労働 力の再編
第12回⑪低成長期の国土利用(1991~2000):国内の空洞化~中国への産業移転、製造委託
第13回⑫新自由主義期の産業構造(2001~):自由競争社会、国外生産と国内生産のバランス、 少子高齢化社会
第14回⑬新自由主義期の国土利用(2001~):東京一極集中の進行と限界集落の出現~地方消滅 から地方創生?
第15回到達度試験と解説