担当者 | 山本 健兒 | |
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学年・開講期 | 3年次 後期 [経済学部 地域経済学科] | |
科目の種類 | 専門 地域経済系 | |
区分・単位 | 選択 2単位 | |
科目ナンバー | 8D301 |
地場産業という用語は日本独特のものですが、この概念に近い英語は新古典派経済学の父と言われるAlfred Marshallが用いたIndustrial districtです。この授業では、日本おける典型的な地場産業産地を取り上げて、それら各地でなぜその産業が発達したのか、産地存続に危機がなかったのか、あった場合にはそれを克服するためにどのような施策が実行されたのか、その施策は成功したのか、といった諸論点を講義します。
この授業は、経済学部のディプロマポリシーのうちDP1「1.日本と世界の経済、地域経済、企業経営及び観光にかかわる基礎的理論・知識を修得」すること、および地域経済学科のディプロマポリシーのうち、特にDP2「2.各地域に共通する問題と各地域固有の問題の両方を理解し、説明することができる」ための基礎に関わります。
地場産業の概念、その産地で展開する企業間関係、産地間の競争などに関する基礎理論を理解し、これを身近な地場産業に応用して独自に考える能力を身につけることが授業の目標です。
授業最終回に実施予定の試験で成績評価を行ないます。また、日本経済に関する基礎的な知識等に関する質問を授業中に口頭で行なう予定です。さらに、授業内容の理解が確実になったか否かを確認するための簡単な小テストや小レポートを随時課します。これらも最終的な成績評価に反映させる予定です。口頭での質問に対する学生からの解答や小テスト・小レポートについては、その都度、教員から正解や解答に至る考え方などを解説するので、これが学生へのフィードバックになります。
試験は、授業最終回ではなく、定期試験期間中の実施になる可能性があります。詳細は12月初旬頃に、授業中でお知らせします。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特定のテキストを教科書としては用いません。しかし、インターネットを通じて入手できる学術論文等をテキストとして指定することがあります。 | ||
参考文献 | 『地場産業の発達』 | 板倉勝高 | 大明堂、1981年 |
参考文献 | 『地場産業の町』上、下2巻本、および 『地場産業の町 3』 | 板倉勝高(編) | 古今書院、1978ー1985年 |
参考文献 | 『地場産業の地域』 | 板倉勝高・北村嘉行(編) | 大明堂、1980年 |
参考文献 | 『日本の地場産業』 | 山崎充 | ダイヤモンド社、1977年 |
参考文献 | 『地域産業』 | 黒瀬直宏(編) | 白桃書房、2004年 |
参考文献 | 『産業集積の地域研究』 | 井出策夫(編) | 大明堂、2002年 |
参考文献 | 『グローカル時代の地域経済』 | 伊東維年(編) | 日本経済評論社、2017年 |
参考文献 | 『伝統産業産地の行方―伝統工芸品の現在と未来―』 | 上野和彦・政策科学研究所(編) | 東京学芸大学出版会、2008年 |
参考文献 | 『グローバルプレッシャー下の日本の産業集積』 | 伊東維年・山本健兒・柳井雅也(編) | 日本経済評論社、2014年 |
参考文献 | 『変わる地場産業―“日本らしさ”は生き残れるか―』 | 山崎充 | 日本経済新聞社、1974年 |
参考文献 | 『工芸産業の地域』 | 北村嘉行 | 原書房、2006年 |
この授業では特定のテキストを用いません。しかし、授業中に随時、読むべき文献や学術論文、インターネットでアクセスできる地場産業関連のホームページなどを紹介するので、これらを読むことが求められます。そのために、予習や復習にはそれぞれ1.5時間程度の時間を必要とすると考えられます。特に、ノートの整理という意味での復習をしっかり行うことが求められます。
授業中に素早くメモを取り、授業後、できるだけその日のうちに、ノートを整理することが求められます。
COVID-19の感染状況次第では、教室での対面授業ができなくなる可能性があります。その場合には、オンライン・オンデマンドでの授業形態を考えます。しかし、私のインターネット通信の技能や設備・ソフトウェアが整えば、同期双方向通信での授業展開もあり得ます。いずれにせよ、教室での対面授業ができない場合にはLMSでのレポート提出を毎回全員に求めざるを得なくなります。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 「地場産業論」の概要に関するシラバスに基づく解説と受講上の諸注意 |
第2回 | 今、なぜ、地場産業が問題となるのか? |
第3回 | 地場産業の概念とその諸類型 |
第4回 | 日本における地場産業の地理的分布とその変化 |
第5回 | 関東地方の地場産業 |
第6回 | 桐生織物業の歴史と現在 |
第7回 | 桐生織物産業の苦境と活力ある地場企業 |
第8回 | 桐生の地場産業は織物だけか? |
第9回 | 今治タオル産業の苦境 |
第10回 | 今治タオル産業の復活 |
第11回 | 木工家具産地 福岡県大川市の事例 |
第12回 | 肥前有田焼の事例 |
第13回 | 肥前における他の陶磁器産地の事例 |
第14回 | 益子焼の歴史と現在 |
第15回 | 試験、及び総括ディスカッション |