担当者 | 森 一平教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [教育文化学科] | |
科目ナンバリング | EDU-201 |
初等教育とは、子どもたちの幼児期・児童期にほどこされる教育であり、子どもたちのその後の人生を決定的に方向づけかねない極めて重要な位置を占める教育段階である。それゆえ初等教育段階で教育にたずさわる教師たちは、そのことの責任の重さを自覚し、初等教育とは何か・初等教育ですべきことは何か・初等教育に何ができるかなどといった点について考えをめぐらせ、みずからの教育実践を絶えず反省していく必要がある。
本講義では特に、「機会の平等」という観点から、初等教育の理念、制度や歴史、そこで生じている問題、その解決策など、様々な知識と論点を学ぶことを通して、上述の諸点について明確な見通しを持てるようになることをめざす。
①「機会の平等」とはどんな状態かを、過去の議論の蓄積をふまえて説明できる。
②「機会の平等」という観点から、初等教育の役割と責任について説明できる。
③「機会の平等」という観点から、日本の政策や教育実践の特殊性について説明できる。
④「機会の平等」という観点から、現代の社会問題・教育問題について説明できる。
⑤④の問題に対する政治的・実践的な解決策を構想し、説明できる。
・中間レポート:40%
・最終試験:60%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特に指定しない。毎回の講義でレジュメや資料を配布する。 | ||
参考文献 | 『教育の機会均等』 | 岡田昭人(2013) | 学文社 |
参考文献 | 『教育と平等――大衆教育社会はいかに生成したか』 | 苅谷剛彦(2009) | 中公新書 |
参考文献 | 『再検討 教育機会の平等』 | 宮寺晃夫編(2011) | 岩波書店 |
参考文献 | 『《岩波講座》教育 変革への展望2 社会のなかの教育』 | 佐藤学ら編(2016) | 岩波書店 |
参考文献 | 『日本の公教育――学力・コスト・民主主義』 | 中澤渉(2018) | 中公新書 |
前回の講義内容の概略を、配布資料を手がかりに口頭で説明できるようにしておくこと。
特になし。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション――公教育としての初等教育、その最重要理念としての機会の平等 |
第2回 | 機会平等論の基礎(1)――機会の平等とは何か |
第3回 | 機会平等論の基礎(2)――機会の平等をめぐる概念と理論 |
第4回 | 日本における教育機会平等化の歴史(1)――資源配分の地域的偏りと教育機会の「不」平等 |
第5回 | 日本における教育機会平等化の歴史(2)――アメリカとの比較:資源配分政策の背後思想をめぐって |
第6回 | 日本における教育機会平等化の歴史(3)――標準法の世界と「面」の平等 |
第7回 | 機会の平等と個性化教育(1)――愛知県における個性化教育実践の成立と継承 |
第8回 | 機会の平等と個性化教育(2)――個性化教育の可能性とその社会的条件 |
第9回 | 戦後日本の社会モデル(1)――その特殊性と成立・破綻の過程 |
第10回 | 戦後日本の社会モデル(2)――破綻を乗り越えるために |
第11回 | 機会の平等と不登校「問題」(1)――不登校をめぐる言説の展開 |
第12回 | 機会の平等と不登校「問題」(2)――「教育機会確保法」をめぐる議論の変遷とその政治的含意 |
第13回 | 格差・貧困の打開策(1)――貧困の連鎖と「死」の選別・配分 |
第14回 | 格差・貧困の打開策(2)――生存保証と教育の役割 |
第15回 | おわりに――講義全体のまとめと発展 (注:上記計画は、受講者の学習状況や問題関心に応じて変更することがあります。) |