日本文学史研究Ⅰ
担当者細田 明宏教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [日本文化学科]
科目ナンバリングJPH-201

授業の概要(ねらい)

 明治前期に成立した浄瑠璃『壺坂霊験記』は人気を得て、こんにちも繰り返し上演されています。『壺坂霊験記』の元となったのは、盲目の男沢市が壼阪寺の霊験を得て開眼するという話(沢市開眼譚)でした。すなわち浄瑠璃『壺坂霊験記』は、宗教文学が芸能の世界に取り入られることによって成立した劇文学なのです。
 本講義では、宗教文学としての沢市開眼譚が芸能の世界に取り入られる過程を追うことで、宗教文学の諸相および人々との関わりや、劇文学化されることによるプロットの変化などを考察します。

授業の到達目標

宗教文学および劇文学について理解を深めること、そしてその特色を他人に説明できること。

成績評価の方法および基準

 期末試験(60%)、小テスト・レポート(20%)、平常点(20%)を合わせて評価します。なお期末試験に代えてレポートを課す場合もあります。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献近代芸能文化史における『壺坂霊験記』—生人形から浄瑠璃、そして歌舞伎・講談・浪花節へ細田明宏ひつじ書房

準備学修の内容

①事前に授業内容の概要を配布(PDFファイル)するので、それを読んでおくこと。なおその概要は、プリントアウトまたは要点をノートに書くなどして授業に臨むこと。②独立行政法人日本芸術文化振興会が運営するウェブサイトである文化デジタルライブラリー(http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/)の「舞台芸術教材で学ぶ」のうち、「文楽」「演目解説」「民俗芸能」を見ておくこと。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回仏教と芸能
第2回浄瑠璃『壺坂霊験記』
第3回西国霊場と霊験譚
第4回西国巡礼
第5回縁起
第6回絵解き
第7回説教
第8回壼阪寺の霊験譚
第9回開帳と霊験譚
第10回錦絵『観音霊験記』
第11回見世物
第12回生人形『西国観音霊験記』
第13回生人形の沢市開眼譚
第14回生人形から浄瑠璃へ
第15回まとめ(期末試験)